西郷さんに教えられて
2015年2月27日
我が胸の燃ゆる思いに逆らえず
2015年2月26日
『我胸の 燃ゆる思ひに くらふれは 烟ハうすし 桜島山』
幕末の志士筑前福岡藩士平野国臣が、桜島をうたったものです。今日は鹿児島に来ました。
南国鹿児島は、2月でもさすがにコート姿は見かけません。
桜島の噴煙も、この日は見られませんでした。火の国九州は、雲仙普賢岳、霧島新燃岳等の噴火で自然の脅威を知らしめるところとなりましたが、このところ阿蘇山中岳や桜島での大規模な噴火が危惧されています。
このところ九州では、噴火の恐怖もさることながら、近隣からの黄砂やpm2.5などの影響が気掛かりです。昨日福岡市は早くも黄砂が観測されました。また、春節の花火で濃度があがるのではないかと囁かれてもおります。鹿児島市内もどんより雲がかかっていて、桜島の勇姿が見られず残念でした。
鹿児島では、『3S』が言い当てられます。桜島のS、西郷どんのS、サツマイモのSらしいのですが、福本悟流で焼酎のSが替わって入ります。
なお、鹿児島は芋焼酎が有名ですが、サツマイモではなく、コガネセンガンと言う種類のいもが使われることが多いです。
中には紫芋、安納芋、焼き芋等もあります。あの匂いがたまらないわけですが、かなりの種類を飲んでおりますので、最近では、何を飲んでもあまり違いがわからなくなってしまいました。ただ、鹿児島に来たときに買う焼酎として『金生』があります。鹿児島地方裁判所の近くの金生町にある果物屋さんが、屋久島の焼酎三岳酒造と協力して、この『金を生む町』から金運あらたかな焼酎を多くの人に嗜んでもらいたいとの思いから売り出している『知る人ぞ知る』焼酎です。
さて、私の悪い癖は、海のある地方都市に出張すると、市場や地元の百貨店の鮮魚売り場を覗くことです。いつか旧ホームページの『よかとこ九州』で、春先のウニ、うに前線北上中をテーマにしたことがありますが、やはりこの時期、鹿児島には『うに』がありました。阿久根のうにです。もちろん板売りですが、税込金756円でした。
これから夜に備えて焼酎と買ったばかりのうにで、一杯(いっぱい?)やるとしますか。これが楽しみで、桜島に志を訴える都市鹿児島にやって来ます。
我が胸の燃ゆる思いは、……所詮こんなところでした。
民法の大家の遺言
2015年2月25日
私が法学部の学生だったころ、民法の大家は我妻栄先生で、『民法講義』と言う分厚い本を民法総則から債権各論まで、何分冊も購入しました。
その後数年続く司法試験の勉強でも、この民法講義は、繰り返し基本書として使うことになりました。
私たち以上の年代の法曹で、刑法の団藤重光先生、民法の我妻栄先生の名を知らぬ者はいないでしょう。
この我妻栄先生の『民法講義』は、債権各論すなわち財産法のところで終わっております。言うまでもなく民法は、市民と市民の間の決め事を定めた法律で、財産と身分関係、すなわち親族相続の分野に分かれます。
特に戦前作られた民法は、現憲法になって戦前の家族制度が崩壊し、全面的に改正されたのです。
我妻先生を承継された星野英一先生によると、財産法分野はもう様々な議論がなされ、幾つも判例があるが、親族相続分野は、研究も判例もこれからだと我妻先生は、親族相続分野の研究と発表、そして新書籍が書店に並ぶ日を待ち望んでおられた由です。
我妻栄先生によるこの分野の『民法講義』は、ついに私たちが見る機会はもたらされなかったのです。
我妻先生らの予言とおり、親族相続分野は、このところ次々に新判例が出ています。一昨年嫡出子と非嫡出子の法定相続分に差を設ける民法の規定は、憲法14条の法の下の平等の平等に反するので無効とする最高裁判例が出されたことは記憶に新しいです。
その後も、いわゆる性同一性障害の父、すなわち出生時は女性だった親が、人工授精等により授かった子との父子関係を認めた判例、いったん嫡出子として届け出された子は、たとえDNA鑑定等により、生物学的には実の親とされた男性と一緒に――母とともに――暮らして居たとしても、法律上の父が嫡出を否認しない限り、実の親との父子関係は認められない等幾つも新判例が最高裁より出されております。
そして近いところでは、婚姻した夫婦は、夫または妻いずれかの性を称しなければならないとする規定、また、妻にのみ離婚後6ヶ月間は婚姻(再婚)を禁止する規定が憲法に違反するかどうかが最高裁により判断されます。
このとおり親族相続分野は、私たち法曹の間でも解釈が分かれ、また、全く予想出来なかった事案に遭遇する可能性がある
ある意味では学び甲斐あり、対応が期待される神秘的分野であります。確かにDNA鑑定など、民法制定時には考えられなかったことでしょう。
特にいわゆる300日問題は、巷間しばしば聞かれますね。婚姻中に懐胎した子は夫の子と推定されると規定する民法772条は、その2項で、『婚姻解消から300日以内に出生した子は前夫の子と推定する』と規定されていて、これがために明らかに前夫の子ではない子、現在のパートナーとの子であることが明らかであっても、前夫の戸籍に入ってしまって子の出生届が出来ない、それには前夫の『協力』を得る必要があると言う問題がこれです。
因みに、最近あるアスリートが、交際中の女性との間に新たな命を授かったと自ら公表しましたね。
共に離婚歴あるこの方々、女性が前夫との離婚を発表したのが昨年9月だったことから、下衆な世界では、余計な心配をしていると報じられておりました。
もうすぐ春ですね。
2015年2月24日
九州北部、北陸、中国四国地方で春一番を観測したと、地元の気象台が発表しました。
この影響で北陸富山で18.5℃、大分市で19℃と春本番の陽気となったようです。
春一番とは、立春から春分までの間に広い範囲で初めて吹く暖かい南からの強い風を指します。
この日福岡市では最大瞬間風速15.2m、下関市では最大瞬間風速20、2mを記録しました。北陸地方の春一番は昨年より18日早く、九州北部は昨年は春一番ほ吹いておらず、2月中に発表があったのは5年ぶりだそうです。
春一番が吹くと何を思い出しますか?50代の人は『キャンディーズ』と答えるかもしれません。
私が大学1年4月のクラスコンパの席でも、早速キャンディーズ?を披露したクラスメイトがおりました。
確かに春一番の歌詞ではありませんが、重いコートを脱いで、外出したくなります。 春一番が吹くころには、食いしん坊の私は、季節の野菜を期待します。
ふきのとう、たらの芽のてんぷらは大好物です。
でも、我が家では、この時期採れる『つくし』を楽しみにしています。つくしは、だいたい3月から4月上旬までです。 「つくしって食べれるの?」と思われる方が多いでしょうか?つくしは食べれます。
はかまを取ってからですが、美味しいですよ。特に卵とじが美味です。 つくしと言う名称から、これまた筑紫の国=福岡の名産かと思われるかもしれません。
確かに私が初めてつくしを食べたのは福岡を知った後です。
福岡の西の起点西新には、『リヤカー部隊』があって、リヤカーのおばちゃんから分けてもらいます。おばちゃん宅近くの野山に生い茂っているつくしを集めてはかまを取り、売り物にするのです。また、福岡天神の百貨店岩田屋でも、販売していました。
もっとも、福岡まで行かなくても、まして百貨店で買うまでもなく、つくしは、手に入ります。我が家の周辺には、春一番のころより、つくしがたくさん見られるのです。つくしが『いる』のは、土手や河川敷そして幹線道路のフェンス越しなどあまり人が立ち入らない場所が多いです。でも、近くにある大きな公園のあちらこちらにも、よく目を凝して見ればつくしの姿があります。
私たちと同じように、つくしを採っている人を見かけます。もちろんタダであります。
つくしはてんぷらそして卵とじにします。微かに苦味が効いた、歯ごたえあるあのつくし独特の味は、我が家にとって春一番を迎えるのです。なおつくしが恋しくて?、桃の花が見頃となる山梨県あたりにも、出向いたこともありました。
春一番の歌詞ではありませんが、つくしの子?は恥ずかしげに頭(顔)を出し、「もうすぐ春ですね」と、私たちに季節の移り変わりを知らせているのでしょう。
春は別れ、そして出会いの季節です。今年はどんな春となるでしょうか。
何もしない贅沢
2015年2月23日
報道によれば、ITバルブと言われた2000年ころを上回る株価の上昇だそうです。
法人税や相続税の軽減も提案され、これからお金持ちには、ありがたい世の中になって行くのでしょう。
バルブの時期、今は日本航空と統合した当時の日本エアシステム、通称JASの機内のエンターテイメントオーディオで面白い、考えされられるやりとりがありました。
舞台は、海がきれいでほとんど人が住んでいない南の国に、リゾートホテルを建設するため、家族を残して派遣されたサラリーマンと現地住民との会話です。
住人 「おーい。なんで朝から晩までそんなに働くのだ?」
サラリーマン 「会社のためだ」
住人 「なんで会社のために働くんだ?」
サラリーマン 「会社が儲かると、自分もお金をたくさんもらえるからだ」
住人 「お金をもらえたらどうするんだ?」
サラリーマン 「こんなきれいな静かな場所に来れるからだ」
住人 「なんでここが良いのだ?」
サラリーマン 「何もしなくて良い。一日中のんびりできるからだ」
住人 「そんなら今のオラたちとおんなじだな」
ひところ、『何もしない贅沢』と言う言葉が流行りました。
富裕層をターゲットに、都会から遠く離れたほとんど人がいない場所に、リゾートホテルなどが開業して、そこでのんびりすることを売りにする旅行ブランが人気を得ました。
ここでは、『何もしない』ために、たくさんのお金がかけられるのです。
ある日の○○新聞に、読者?から、こんな投稿がありました。
今、憲法改正の是非や閣議決定した集団的自衛権に関する恒久法についてあれこれ言われているが、いわゆる護憲派と言われる方々から、それならどうしたら平和を守れるのか、攻撃されたらどうすれば良いのか、具体的に対策意見が出されたことがないと言うものです。
何もしない、何も言っていないと言う指摘でしょう。
でも私は、おそらく護憲派、特に憲法前文の精神を重んじ、憲法9条を厳守すべきとの立場の方々には、これこそが答えだと考えます。
だって憲法は、軍隊を持たない、交戦しないと言っているのです。
憲法前文は、全世界の人びとが、恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利があると宣言し、日本国民は、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意したこと、このことで日本国民は、国際社会において名誉ある地位を占めたいと願い、国家の名誉をかけて、この崇高な理想とを目標を達成することを誓っているのですから。
朝鮮戦争の最中、自衛隊の前身となる警察予備隊ができました。
日本国憲法が、占領下に作られたとの批判はしばしば聞きますが、自衛隊(の誕生の契機)も占領下の出来事だったとはあまり指摘されません。
災害救助等に活躍する自衛隊は、国民に認知されているからでしょう。この自衛隊は、海外に派遣される途が開かれた後も、現地でひとりも殺傷せず、ひとりの隊員も殺傷されなかったと強調されます。
この現実があるからこそ、現地でも日本人に対する攻撃は為されなかった、日本は違う!との国際的認識が形成されていたのではないでしょうか?
そして、これこそが憲法のチカラ、そして国民政府一致して平和を維持し、他国から攻撃されない理由だと考えることはできないでしょうか?
中南米に位置するコスタリカは、昨年のサッカーワールドカップでの活躍が記憶に新しいですが、コスタリカには軍隊がありません。
ニカラグア、ベネズエラ、そしてキューバ等紛争が絶えない地域にありながら、コスタリカが攻め込まれたと聞いたことはありません。
いっぽうで、核兵器開発が度々取り沙汰されるような独裁国家に対しては、力での対決姿勢が強調されます。専守防衛と言う言葉がありますが、軍隊を持たない弱い国だから攻め込んでやろう、やっつけてしまおうと、軍事力に誇る国は考えているのでしょうか?
護憲派の方々は、おそらく「何もしない」ことこそ平和を守ることだとお答えになるのでしょう。
ですが、私は、日本は、決して「何もしない」国ではなかったと思っています。この憲法がある限り、これを全世界に発信することで、どうしたら平和を守れるのか、そして「どうしたら攻撃されないのか」を十分示していると思うのです。