私にとって福岡の定番となっているのは、屋台『しんきろう』と西鉄グランドホテルです。
いずれも福岡の中心天神地区にあります。福岡市内で見かける西鉄バスは、ほぼ例外なく行き先経由地に『天神』が表示されています。福岡市役所も、もちろん天神にあります。
この福岡都心の『名物』が消えようしています。
街の真ん中、人通りの多い場所に長く設置されていた公衆トイレの撤去がこれです。
福岡市天神2丁目の通称国対道路沿いの歩道に、迫り出すように設置されていた『天神2丁目公衆便所』が、40年間の役目を終え、今年『廃止』されることがほぼ確実になったと言うことです。
福岡市民ならば、おそらくこのトイレの存在を知らない方はおられないのではないでしょうか?
国対道路『天神警固神社三越前』のバス停から、渡辺通4丁目交差点に向かって歩けば、イヤでも?目に付く公衆トイレがあります。
このトイレの特徴は、歩道に設置されていることもあって、通行の邪魔となっているとの指摘は当然としても、要するに、外から丸見えなのです。
公衆トイレは、防犯上の理由から、扉は付けられない簡易な造りで有ることは避けられず、それが『環境問題』にも発展しかねないところ、こうして40年以上も、ど~んと街を見守っていたのです。
この公衆トイレ、歴史的には、天神警固神社三越前のバス停から、渡辺通4丁目交差点に向う場所には、福岡の風物詩ともなっている屋台が複数営業していて、この方々用に、公衆トイレが必要だったようであります。
私自身も、未だ『しんきろう』の大将を知る前、この場所に出ていた屋台の酔客となり、このトイレには、お世話になりました。
しかし、司法修習生だった32年前には400件とも言われた屋台は、その後営業権譲渡禁止等の時代の流れにより、現在は150件くらいまで減ってしまいました。
その流れなのか、もう、天神警固神社三越前バス停周辺の屋台はなくなりました。なんと、渡辺通大丸前の『しんきろう』の近隣に移動してきた屋台もあります。
そんなことも、天神2丁目公衆便所が、時代に取り残され、無用となったとの判断に至ったのでしょうか?
このトイレは、私が32年前に福岡に赴任したときから存在する数少ないかたちです。
25歳の福本悟に戻ることが許される思い出の場所でもあります。人間生きている限り、トイレにお世話にならないことはありません。
天神2丁目公衆便所は、移りゆく福岡の街をず~っと見てきたのです。
たかがトイレ、されどトイレ、長い間お疲れ様ありがとうと言いたいです。

