身の丈にあった経営と生き方とは?

2015年2月3日
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国内第3位の航空会社スカイマークが経営破綻し、東京地方裁判所に民事再生の申し立てをしました。

 

私は、昨年あたりから、こんなことになるの ではないかと感じておりました。まず、利用者の立場から、残念でなりません。 

 

スカイマークは、規制緩和による新規参入航空会社の第一号として、HISの澤田秀雄氏らが中心となって設立され、平成10年羽田福岡便を最初 に、羽田空港を中心として、全国各地に航空路線を網羅し、東証1部に株式上場を果たした『元祖格安航空会社』であります。

もっとも、今では格 安航空会社はLLCと言われ、スカイマークは、この分類には入れません。

 

この『ひとりごと』をご覧いただく方々は、『経済経営』『自由競争』等に関する福本悟の独りよがりの考え方は、おわかりかもしれません。写真 1-1

特 に、安心安全、人命人権と競争関係です。ただそうであるがゆえかもしれませんが、スカイマークは気になる航空会社でありました。

 

スカイマークが寡占状態だった日本の航空業界に風穴を開け、これが航空運賃の低廉化、ひいては航空機利用者の増加と消費の拡大に少なからず影 響を与えたことは否定出来ないと思います。

これで積年の『ぬるま湯状態?』だった大手航空会社に緊張感を抱かせ、有る意味スカイマークイジメ とも取れるスカイマーク便の時刻に合わせた自社便の運賃減額等の措置に進んで、結果一時期、スカイマークの経営は厳しい状態になりした。

 

ここに登場したのが、インターネットサービス会社から転身した西久保禎一氏でした。

 

この西久保氏は、整備、運行、サービスの全部門の抜本的見直しとして、様々なコスト削減をした結果、スカイマークは黒字経営に転化することが できたのです。

私も今から5年くらい前は、いつ搭乗してもスカイマークは満席状態だった感がありました。

 

しかし、そのころから気になることが報道されていたのです。

例えば、外国人機長が、発熱したCAの業務停止を命じたところ、西久保氏が出てき て機長を叱りつけ、機長を解雇したことや、実は人手が足りず、定時運行に影響が出るから……だろうと陰で言われた客室乗務員は、荷物の出し入 れは手伝わないと説明した文書を出す、昨年は、ミニスカート着用に同意しない客室乗務員は、新規就航するA330機には乗務させない、そして 今年早々判明したこととして、3年以内に退職した操縦士には、養成費等約400万円の返還を求めるとして、訴訟も係属していると報じられてお ります。

 

はっきり言って、これでは社員の士気は上がらず、まともに働く気にはなれないのではないでしょうか?

そして、例のエアバス社からの830億円 とも言われる大型航空機の発注キャンセルに関する違約金請求問題が露呈されました。

報じられたところでは、ミニスカも大型航空機発注も、ほと んど西久保社長の独断とのことです。

通称ミニスカ便(私も搭乗したことがあります)の運行決定をアピールする場として、西久保社長が、多くの ミニスカートを着用したCAを侍らせにやけている写真が妙に印象に残っております。

因みに、このミニスカート着用は、他の航空会社の労働組合 等からの批判が高まり、『廃止』されたようです。

写真 2-1

経済効率や競争至上を持ち込む結果だと考えます。

利用者は何を求めているのか、裏返せば、どんなことに不安や疑問を感じているのか、そこを認 識しなければならないでしょう。

 

そして、第一線で利用者と接する現場の声を聞き、現場を大切にする必要性です。

 

例のエアバス社の違約金問題 は、果たしてスカイマークにとって、当時の年間売上高の倍ともなる代金を支払ってまで、

大型機材を購入する必要があったのか、それは身の丈に あった選択だったのか、今となっては結果論にすぎませんが、残念でなりません。

 

 

 

 

スカイマーク第一便が羽田空港を飛び立ったとき、かつて大手航空会社に在籍してスカイマークに移ったベテラン客室乗務員が、涙を流しながらい つまでも飛び立つ飛行機に手を振っていた姿が忘れられません。

これから民事再生手続きが開始され、再生計画が認可確定するまで、紆余曲折が予 想されますが、スカイマークが飛び立ったあの時を振り返り、再出発されることをファンのひとりとして願っております。