新しい年2015年も、はや1か月以上が経過しました。 正月によく聞く曲として『春の海』があると思います。寒い1月なのになんで春なの?と疑問をもたれるかもしれません。 これは『春の海』自体が春の季語であり、旧暦では正月はちょうど立春のころであることから、1月から大寒を経て立春のころまで、あちらこちらで演奏されるのでしょう。 宮城道雄の代表作で、失明する前、子どものころ見た鞆の浦の風景を思い起こした曲とされます。 琴、尺八の二重奏だったのが、後半が洋楽的な旋律になっていることもあり、バイオリンでの演奏を聞いたこともあるのではと思います。 『春の海 ひねもすのたり のたりかな』これは与謝蕪村の句です。 こちらは、季語からして時期ははっきりしているものの、厳冬の荒波の感じはなくて、本当にのんびりのどかな感じがいたします。 ひねもすは終日、のたりはゆっくりゆっくりの動きを意味します。1日中のんびりゆったりしている、穏やかな海の様子が窺われます。 俳句の世界では春と言われても、このところの寒気は凄まじいものがあり、東京でもまた雪です。北国の厳しい天気を気遣うこともなく、『のどかなだな』なんて感じでいるのは、それこそノーテンキと言われるかもしれません。 そう言えば、のどか、のんびり、のほほ〜ん、のっしり、のろのろ、のんき、のろま!等等、『の』がつく言葉は、なんか『NO』と言えない穏やかな感がありますね。
急ぐことが嫌い、体型からして、のたりのたりが似合う私は、やはり穏やかな春の海が好きです。 暖かい春にもなれば、やがて喧騒の夏が海にも近づく感があって、少しずつ水温む時期が「いいな!」と思うのです。 そんな思いで海を見て来ました。博多湾ですが、好天で気持ち良かったです。 子どもたちが浜辺で戯れるすぐ近くには、穏やかな博多湾で採れたての牡蠣を焼く場所がありました。 この時期、福岡県等九州各地で居並ぶ『牡蠣小屋』です。ここでは自分で炭火で牡蠣を焼いて食べます。のどかな春の始まりを感じました。