『グリーン車』と聞いてどんなことを連想しますか?
優雅な方々は、フルムーンを、出張族は、新幹線に乗車してのビジネスを思うかもしれません。
JR各社に設置されるグリーン車は、昔国鉄時代は、一等車として特別料金で乗車する高嶺の花の感がありました。
もちろん現在のグリーン車も、特別料金ではあります。
首都圏のJR中距離通勤路線では、グリーン車が2両設けられております。最初は 、湘南電車と呼ばれた東海道線に一等車は登場したと思います。
当時東京から大船まで同じ路線を走る横須賀線にも現れ、横須賀線が総武快速線と直結して千葉方面にも、グリーン車は走りました。
その後上野駅を起点とする東北本線上越線、現在の宇都宮線高崎線に、最後は常磐線にも設置され、今では『ホームライナー』ともども座って通勤できるかなり需要が高い車両となっているいるようです。
首都圏のJR線では、ぐるぐる回る山手線と並んで通勤時混雑が激しい路線とされるのは、東京駅から新宿駅を経由して立川、八王子方面高尾駅まで結んでいる中央快速線でしょう。
新宿駅は乗降客日本一で、中央快速線は、『酷電』『痛勤電車』等等等酷評されるようです。
この中央快速線に、この度グリーン車が設置されることがJR東日本から発表されました。
現在10両編成で運行するところ12両編成にして、うち2両をグリーン車にするとのことです。
高尾駅の先は、現在でも一部電車は、中央東線山梨県大月駅まで運行されているので、大月行きをグリーン車付きで運行するとのことです。
そのため駅ホームの改造等に750億円をつぎ込んで工事をし、2020年からグリーン車の登場となるのだそうです。
中央快速線沿線には人口が多く、吉祥寺、国分寺、立川等私鉄からの乗降客もあって、グリーン車の設置を求める声はあったのでしょう。
でも、四谷東京間とか、せいぜい新宿立川間くらいしか利用しない人間からすると、混雑時2分間隔でダイヤが組まれているこの路線に常時グリーン車両が入っていると、返って『不便』と感じるのではと思ってしまいます。
たまたま四谷駅に行くため、新宿駅で飛び乗った車両がグリーンだったら、車内を移動する間に四谷駅に到着するでしょう。
また、東京駅に新幹線等で到着した旅行者が、八王子駅までゆっくり楽に座って行きたいと思っても、『大月行き』はいつ来るかわかりません。
この点は、もし通勤客のグリーン車需要が大きいのだとすると、なかなか来ない車両に、また、混雑が集中して不満や混乱が発生する恐れを感じます。
このように言うと、福本悟は、新しいやり方にはなんでもかんでも反対ではないか!と指摘されそうです。
私も、利用者の目線で考えるべきだと思います。ただ気になるのは、それこそなんでもかんでも2020年の東京オリンピックまでに………。の風潮があるのではと思えてならないことです。
オリンピックは国民あげてのイベント、世界に日本国のメッセージを発する大切な機会です。
しかし、オリンピックが終わっても残るものは残り、残すべきものは残されるのです。オリンピックパラリンピックそのものを成功させる大事と、その先子孫に残すべき大事は、それぞれの意義必要性等を考えて慎重に行うべきではないかと思う次第です。