久しぶりにじ~んと来ました。機内のオーディオから流れた歌です。 現愛媛県知事中村時広氏は、幼稚舎からの慶応ボーイですが、日本新党から立候補して衆議院議員になり、1999年から2010年まで松山市長を勤めました。 任期中『日本一のまちづくり』を標榜し、市民が誇れるまちづくりを、司馬遼太郎氏の名作『坂の上の雲』をモチーフして推進し、実際NHKで3年間にわたって、『坂の上の雲』が年末に放映されました。行政改革にも熱心で、私は2回、日弁連の行事が松山市で開催された機会に、中村時広氏の講演を聞くことができました。 話が面白く、全然眠くなかったです。 この中村時広氏が市長を務めた2000年に、『松山市21世紀イベント委員会』が設立し、『21世紀に残したい言葉』が募集されました。その中で松山市長賞を獲得したのが、「恋し、結婚し、母になったこの街で、おばあちゃんになりたい」でありました。 2005年に松山市内で開催された日本ペンクラブ『平和の日、松山の集い』で、「恋し、結婚し、母になったこの街で、おばあちゃんになりたい」と言う言葉に感動したゲスト2名が、即興で歌にして披露、会場内では感動のあまり涙する姿が見られたそうです。 その後『この街で』は、『ことばのちからが生んだ歌』としてCDになり、松山から全国に広がったと言うことです。この曲は、最初に歌った新井満氏以来10名のプロアーティストがカバーして来ました。 そして昨年2014年、スーパーユニット『ブラザーズ5』の杉田二郎、堀内孝雄、ばんばひろふみ、高山厳、因幡晃各氏からなる『この街で』が発表されるに至ったのでした。初めて聞く機内エンターテイメントオーディオから流れたブラザーズ5の歌声に、涙が止まりませんでした。 まずは歌詞を聞いてください。 「この街で生まれ、この街で育ち、この街で出会いました あなたとこの街で この街で恋し、この街で結ばれ、この街でお母さんになりました この街であなたのすぐそばにいつもわたし わたしのすぐそばにいつもあなた この街でいつかおばあちゃんになりたい おじいちゃんになったあなたと 歩いてゆきたい」 ブラザーズ5のリーダー格杉田二郎さんは、『この街で』に出てくるストーリーがすごく純粋で理想形、この街で生まれて、この街の人と恋をして、そして人生を全うしていく、なかなかできるようでできない、とてもきれいな夢の世界、こころが洗われると述べられました。 しあわせとは見えないところ、本人が気づかないところにあるとは言い尽くされた言葉です。 この当たり前のとこがなかなかできない、そのありがたさがわからない、『この街で』は、ブラザーズ5のみなさんと同じような世代を生きている私にとって、なんでもないことに、しあわせに気づかせられるきっかけを作ってくれたようです。 これは人生の応援歌です。来週もまた、この曲を流しているる航空会社を利用します。 涙もろくなってく歳ですね。