プロがプロたるには、謙虚が必要です。

2015年4月27日
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人間が危機的状況に陥ったとき、パニックとなりうることは、様々な場面で実験されています。

 

過日広島空港に着陸しようとした韓国アシアナ航空機が、滑走路手前の高さ6.4メートルの着陸誘導用アンテナに接触して、滑走路を外れて停止した事故は、一歩間違えば大惨事となりかねない衝撃を受けました。

 

広島空港は、山を開いた高台にあり、雲や霧が発生しやすく、着陸寸前まで、どこを飛行しているのか、乗客として把握しにくい空港だと思っています。

 

今回の事故は、かなり低空で進入したと想像されますが、計器が不都合だったのか、パイロットの技術が問題だったのか、はたまた別の原因があったのか、現時点では、明確とされておりません。

 

この段階で報道されたところで気になるのは、客乗務員の対応です。予め言っておきますが、これが韓国の交通機関だから……ではありませんので、誤解なきよう願います。

 

複数の乗客の話として、衝撃が起き、酸素マスクが降りて来て、煙(炎?)が見えて、乗客から泣き声等が起きる中で、ようやく航空機が停止したとき、客室乗務員は、韓国語で「ドアが開かない!」「爆発するから早く降りて!」等叫んでいたと言うことです。

 

これはいただけませんね。乗客の生命安全を守るプロがこれでは、乗客は、さらにパニックとなるでしょう。 数年前、ANAグループのプロペラ機が、高知空港に胴体着陸したことがありました。

 

このとき、誰ひとり怪我はしませんでした。前輪が出ないアクシデントに見舞われたコックピットは終始冷静で、「われわれは、日頃胴体着陸の訓練を受けています」とアナウンスしました。客室乗務員も、火災の発生等の万が一に備え、乗客の座席を移動させるなど、『サラリと』と対応したと言うことです。

 

ところが実際は、パイロットは、胴体着陸の訓練は受けていないのです。機体が激しく損傷する胴体着陸の実験などないのだそうです。咄嗟の機転なのか、これこそ日頃の訓練なのか私にはわかりませんが、見事ですね。あの機長の一言で、どれほど乗客は落ち着いたか、少なくとも胴体着陸までパニックにならず、それどころか乗務員と心を一にして、信頼関係を保てたことは素晴らしいことです。

 

昭和60年8月12日、御巣鷹山に墜落した日航機の乗務員にも、最期の最期までプロを貫抜いた秘話がありました。機長は、操縦不能となったコックピットで、副操縦士に「どーんと行こうぜ!」と励まし、入社数ヶ月の20代の客室乗務員の女性は、緊急着陸(不時着)した場合に備えて、乗客を誘導する手順等をメモした紙を握りしめて絶命したと報道されました。

 

これがプロがプロたるゆえん、だからこそ私たちはプロを信頼し、生命他を預けることができるのだと思っています。

 

広島空港での事故が起きた同じ日、福井地方裁判所は、福井県高浜原発の再稼働を差し止める仮処分決定をしました。

 

個人的には、幸い大惨事に至らなかった広島空港の事故よりも、こちらをマスコミは大きく取り上げて欲しいと思うのですが、早速この仮処分決定を受けて、様々な意見が寄せられております。

 

政府は、国は、事件の当事者ではないから司法の判断についてコメントする立場にないと言いつつも、原発再稼働については、例によって『粛々と進める』のだそうです。

 

いろいろな意見があるのはわかります。

現在報道されたところで、私が気に入らないのは、「自分たちはプロなのだ、何も知らない裁判所が何を言うか!」と聞こえる原発再稼働に関わった人の意見です。

この方々は、高度の政治的な問題には、司法は黙っているべきとも仰いました。

司法は、法律や政府の行為が、 人々の権利を侵害するか、その恐れがあるかどうかの観点で判断します。

原発が必要かどうかに論及するものではありません。

原発再稼働を推進したいプロの方々は、謙虚さがないと思いました。

プロは、ある分野でのみプロなのであって、プロである自分たちの意見や、やってきたことは全て正しくて、とこにでも通用すべきかに考えるのは過信であり、バランス感覚に欠けると思うのです。

 

以前にもお話したと思いますが、高知空港のときの機長は、乗客を目的地まで送ると言う、ただ当たり前のことをしているだけと社内で語ったそうです。

 

この謙虚さが、プロたるゆえんなのかもしれません。

 

学生辞めますかスマホ辞めますか?

2015年4月26日
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ある国立大学法人の入学式で、学長が、新入生に対して、「学生辞めますか、スマホ辞めますか」と述べたことが話題になっています。

 

これについては、各世代立場から、いろいろな意見が寄せられています。

 

学長に反対する意見は、スマホは悪モノとの決めつけがあり、スマホが日常生活に溶け込んでいる現実を理解していない、学生が知識を得、世の中の情報を把握するためにも必要と言います。

 

学長の意見に賛同する意見は、スマホの使い方等で嫌な思いをした経験から、マイナスイメージを持たれたものであると思われます。

まず、街中、駅や道路でスマホをいじっている人と遭遇して、自分が、あるいはその人が、危険な目に遭った現実を言うのことから始まり、例えば、授業中や会議中に人の話を聞くではなく、常識がない、バカになる等の意見が寄せられているようです。

 

私は、機械オンチであり、新しいものについていけない人間です。

 

そんなこと、全く自慢にならないなですが、今のところ、スマホが無くても生きてはいけます。

でも、スマホを知らないために、知識情報を得ることがなく、独りよがりで成長していないと思っております。

スマホを使う使わないは、どちらでも良いと考えております。

 

ただ、なぜこの学長は、大学の入学式でこんな発言をしたのでしょう。

 

この大学に入って、この大学で学ぶことの意義、この大学でなければ経験できないことの重要性を言いたかったのではないでしょうか。

別に、スマホを辞めない学生は、処分の対象になると言うわけではないのだと思います。

都会の喧騒を離れたこの場所で学び、ここでしかできないこと、この風土で培われ、受け継がれた全てを、自らの頭で考え、体得してもらいたいのでは?

 

すなわち、この大学でなければならない独自性を訴えたかったのではないでしょうか。

 

そんな受け取り方でおりましたら、この大学の在学生が、私の考えるところと同視の投稿をしておりました。

近時、自分で考える機会が減ったと感じます。

例えば、携帯が普及して、自ら文字を書く頻度が減り、漢字を書けない若者は増えていると思います。

 

スマホでたちまち調べることができ、学生論文も、その引き写しが多いと嘆く大学教員を知っています。

ある企業の就活担当者が、ある大学で、その説明をしているときに、会場にいた学生の多くがスマホをいじっていたので、憤慨して帰ってしまったと報じられたことがありました。

 

この学生もさるもの、この企業の情報は、担当者の話を聞くよりも、スマホから企業情報を得た方が、正確でわかりやすいとのことでした。

スマホが日常生活に取り込まれているのであれば、その使い方は、各人の自由であると言わざるを得ません。

 

冒頭挙げた国立大学法人の学長は、この大学で学ぶ意義を感じて欲しい、せっかくこの大学に入ったのだから、スマホで即座に知る既存の情報から一歩抜け出した自分の頭と体で感じたところをスマホで得るのと同様、日常生活に取り入れてもらいたいと言われたのだと思います。

 

そんな思いで朝の通勤電車に乗車しておりましたら、7人掛けの座席に座る乗客全員が、スマホをいじっておりました、、、、。

大地震の前兆?

2015年4月25日
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数日前、茨城県鉾田町の海岸で、イルカ160頭が浜に打ち上げられているところが現認されました。人間の手で、なんとか海に返してあげようと努力されましたが、ほとんどが亡くなったようです。亡くなったイルカは、特に深刻な病気を持っていなかったようで、このような現象が起きた原因は、現時点では不明とのことです。

一部の方々からは、これは大地震の前兆ではいかと案じられています。東日本大震災の1週間前にも、今回の打ち上げ現場から近い茨城県鹿島町で、同じように大量のイルカが浜に打ち上げられていたのだそうです。ある国の予報学者?は、4本年4月12日ころに、関東もしくは東海地方で、大地震が起こると予知したと報じられておりました。

イルカやクジラの大量死と地震の関係が取り沙汰されますが、深海魚の行動と地震の関係は、科学的にも検証されているそうです。

地震が起きて、岩盤が圧縮、破壊される際には電磁波が発生するところ、もし、深海の海底でこれが起きたら、深海魚は、それを感知してその場を離れる、横に動いても電磁波を減退させることはにはならないから、上方向へ逃げることで、その影響から回避できるのだと言うことなのです。

平成17年3月20日に発生した福岡県西方沖地震の折にも、深海魚『リュウグウノツカイ』が、その直前に、日本海側で幾つも捕獲されたことが知られています。

もっとも、深海魚が上に上がってくるのは、様々な事情があるので、深海魚が発見されていたと言うのは、後でのこじつけだとの意見もあります。深海魚の浮上だけではなく、例えば、鳥が大量死した、空が赤く染まった、犬猫が大合唱したまで、いろいろ言われています。

もし、天変地異を予知できたら、私たちは、何をするのでしょうか?

よく東京では、明日降雪の天気予報が出されると、スパイクタイヤになり、シャベルが完売になります。買いそびれた人はどうなりますか?本当に、数日後大地震が確実に発生するとわかったら、海外に脱出しますか。みんなそんな行動をとれば、交通機関はパンクしますから、海外に逃げれる人は、ごく僅かです。逃げれなかった人からは怨嗟の声で、国民各人が、恨み恨みが残るのでしょうか。

関東大震災の折のデマゴーグではありませんが、大事変の前後は、不穏な雰囲気があり得ます。阪神淡路大震災の折、あんな被害がありながら、閉鎖あるいは倒壊した店舗から、大量のVIDEOが持ち去られたそうです。何に使うのでしょうか。

備えあれば憂いなしと言う言葉があります。

これを実践できれば良いのでしょうが、あれもこれもやらなければと考えていると、結局何もできていないことになりかねません。

2011年3月11日のあの時、運良く私は事務所におりました。あの時もそう思いましたが、ジタバタしても始まらない、じっと我慢するしかないと考えて、電車が動くまで、じっと事務所内で待機していました。

その根底には、『なるようにしかならない』との諦めにも似た感情があるのだと思います。


よく、諦めたらアカンと言われますが、裏返せば、これは『なるようになる!』と言う意味でもあり、そう考えると、ネットや何かですぐ情報を得られる現代社会は、「危機管理とは何だろう」と思うこともまた事実であります。

 

三浦知良選手が応援されるわけ

2015年4月24日
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プロサッカー選手で、J2横浜FCに所属するカズこと三浦知良氏が、先日48歳1ヶ月でゴールを決め、Jリーグ得点最年長記録を更新しました。

 

サッカーに関心がある方、また、スポーツの素晴らしさを知る方々は、三浦知良氏の名を知り、カズを応援していると思っておりました。

ところで、その数日後、テレビ番組に出演した元プロ野球選手だった74歳のコメンテーターが、カズに対して、「もう、お辞めなさい」と発言したことが物議をかもしております。

 

そのほとんどが、この方の発言に対する批判的意見だそうです。その『騒動』を聞いた私も、「それはないでしょう」と思いました。

 

このコメンテーターがそのような発言をするに至った理由として、

①後進に道を譲るべき

②三浦知良氏ほどの選手であれば、J2なんて2軍でいつまでもプレーすべきではないと言うもののようです。

 

②の点は、リーグ戦となっているプロ野球とは異なり、日本のサッカー界は、地域に根ざすことから、ピラミッド式に各リーグが構成されているのであって1軍も2軍もない、サッカーを知らぬ者がいい加減なこと言うな!と批判されました。

すなわち、Jリーグは、J1からJ3まで入れ替え戦が行われ、観客動員数でも、J2でも1万人以上の試合はあるし、かつてJ2所属の選手が、サッカー日本代表になったこともある、天皇杯等では、番狂わせがあるのは、プロ野球のイースタンリーグウエスタンリーグとは違うだろう、Jリーグ各チームには、サテライト等下部組織がある、J2がJ1の2軍なんて、カズだけではなく、J2所属選手に対して失礼だと言うことであります。

 

それでは、後進に道を譲るの点はどうでしょうか?

 

サッカーJリーグは団体競技です。サポーターあってのチーム、また、チームを資金面で支えるスポンサーがおります。

もし、カズが本当に使い物にならないのに、自己満足のためにのみ引退しないのであれば、監督がカズを使い、サポーターがブーイングせず、また、スポンサーが撤退しないのはなぜ?の疑問です。

 

プロであることは、人を集め、お金を落とさせることも重要です。

カズの姿、プレーやその競技姿勢を見たいと思う人がいる以上、確かにカズの全盛期のみを期待する人は違うのかもしれませんが、プロ選手としての三浦知良氏のポジションは、依然存在するのではないでしょうか?

 

かく言う私も、『昔のキングカズ』は、好きではありませんでした。笑

日本サッカーが、初めてワールドカップに出場することが決まった『ジョホールバルの歓喜』の試合中、当時の日本代表監督から、途中交代を申し渡された際、まさか?のカズは、自分を指して、「俺が!」のサインをベンチに向かって示しました。

そして三浦知良氏は、サッカーフランス大会のメンバーに、選出されませんでした。

そのあとだと思います。カズが変わったのは。そのときの心中、三浦知良氏が、その後どのようにサッカーと付き合うことに決めたのかは、私どもの理解を超えるものだと思われます。

 

ただ言えることは、あれほどの選手だからこそ、ここで終わることなく、何かを残そう、それこそ後進の手本となり、また、時代を担う子供たちに、メッセージを送ろうと、おそらく心身ボロボロの状態でも、倒れる時まで、辞めることが出来ないのではないのでしょうか。

 

そんなカズの姿が、スキージャンプの葛西選手、プロ野球の山本昌選手らとともに、スポーツを知らない人たちからも、支持されているのでは?と思います。

 

人は誰でも挫折はあるでしょう。

 

それを経験した後、どのように活かし、どのように生きるかが、その人の度量を示すのではないでしょうか?

 

私は、カズの原点、カズが今のカズである契機は、1997年11月16日のマレーシアジョホールバルにあるのでは?と勝手に考えているのです。

統一地方選挙に寄せて

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統一地方選挙は、第二弾に入りました。

各地の首長や議員を選ぶ選挙です。東京は、4月26日が投票日とされています。

 

地方自治の重要性を否定するものではありませんが、盛り上がりませんね。

もっとも、『アベノミクスを進めるか後戻するか』が争点だったとされる昨年末の衆議院議員総選挙も低投票率でしたから、そんなことを言えば、地方で真面目に活動する議員さんやその候補者から、批判を受けそうです。

 

でも、第一弾として行われた各地の選挙結果を見ますと、無投票当選だったり、ある政党を除く相乗りだったり、住民にしてみれば、さしたる緊張感もなく、関心を持てないのはやむを得ない気がいたします。

国会議員の定数削減の話は、本気がどうか、実現するのかどうかは別として、しばしば議論はされております。

 

地方議員はどうでしょう。

 

無投票当選ではありませんが、都内の多くの選挙区では、7.8割の候補者が当選する実情です。

 

数を減らすことで競争が生まれ、品質が向上するなんて考えには、さらさら同調する気がない福本悟を知る方々からすると、『?』と言われるかもしれません。

地方議員の定数多過ぎないですか?人口10万人にも満たない私が住む自治体の議員定数は、優に20人を超えています。当選するのに1000票要りません。通勤電車で眺めらる23区内のある自治体の立候補者のポスターを貼る掲示板は、電車一両の半分くらいを占める巨大なものであります。

より本質的に言えば、議会での決議は、いつも同じ方々が同じ賛否をされるので、もう、やる前から結果はわかっているからです。

私の住む自治体では、国政でいつも『⚪️⚪️を除く』と言われる政党の方プラス1ないし2のグループ、それ以外の約20名のグループに分かれています。

極めて乱暴な意見を言えば、定数を5くらい削減しても、その結果、自治体野党の議席がゼロになつても、与党側が削減の割りを食っても、影響ありません。

 

4月になると、最寄駅などに、立候補予定者が立つています。

もちろん、日頃から議員活動の報告をし、また、ペーパーなど発行される真面目な方もおられます。

でも、ほとんどの方が、政策の説明なく、名前を連呼するだけ、また、何も言わず、タスキをかけて頭を下げるだけであります。特に、この数年気になるのは、国政の実力者のポスターを横に並べて、ただ立っているだけ……。

 

選挙やる前から、全然緊張感ありません。私が住む自治体は、幸い?固定資産税や市民税が年々増収にっているにも関わらず、予算は削減されるのですが、その理由はわかりません。

大勢いらっしゃる議員の先生方から、毎年財政が厳しい、予算は削減して無駄を省いたと言われても、今一つ実感が伴わないまま、今年も投票所に向かうことになりそうです。