ある県議の選抜高校野球大会に出場する高校生に向けた言葉に関する報道に寄せて。

2016年4月4日
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いくら言葉を変えても、その言葉を発した人の本質が変わっていない以上、何も変わらないものです。

 

このところ世間を賑わせていた不倫問題から少し離れたところで、報道された事例のお話です。 これはいつの間にか、ご本人は気づかないうちに、よく言えば上から目線、自分は偉くなったとの思い上がりから出た言葉です。 第88回選抜高校野球大会は、終了しました。

 

「春は選抜から」と言われて久しいですが、準決勝決勝戦と延長戦やサヨナラゲームが続くなど、寒さを吹っ飛ばす高校球児たちの躍動が見られました。その選抜高校にある地区代表で初出場した高校が、出場にあたり挨拶と激励会に県庁に出向いた帰路、バスに乗り込むとき、「お前たちなんて1回戦で負けろ!」と言ったとされる県会議員が、これに関連して、記者会見を開きました。

 

この県議さんが発したと言う言葉以外は、報道された事実関係には大きな争いはないようです。ある県の高校が、選抜高校野球大会に出場することが決まり、県庁に挨拶に来て、県教育委員会が開催した激励会にも出て県庁から帰ろうとバスに乗車しようとしたとき、この県議さんによると、バスが停車していた場所は、駐車禁止区域だったとかで、高校生が乗車するバスに向かって、こう言ったそうです。「なんちゅうところに停めてんねん」「誰の許可得てんねん」そして、「お前らなんか1回戦で負けろ!」。

 

記者会見で、『争点』になっているのは、「負けろ!」と言ったかどうかでした。この議員さん、「「『負けろ!』とは言っていない。そんなことをしていると負けてしまうぞ」と言ったと主張しています。

 

駐車禁止の場所に停めるようなルールに違反しているとうまく行かないぞのような趣旨なのだそうです。でも、この県議の説明と言うか見解、どこから考えるても、全く合理性がないですね。 事実としては、このバスは、県教育委員会が指定した場所に止まっていたのです。駐車ではなく停車と評価すべきとも思われますが、県関係者の指示とおりしたのに、県民から選ばれたこの人が、文句を言うのはおかしい。

 

この議員さん、バスの運転手が、『停車』だと言わなかったのが悪いと弁明しましたが、こんな人に対して停車か駐車か議論してもはじまらないことは、その場に居合わせた皆わかっていたことでしょう。運転手が悪いと言うなら、なんでバスをその場に止めたのではない生徒らに、『注意』するのでしょう。 物事って言い方があります。仮にこの学校あるいはバス運転手がルールに反した行動を取っていたとしても――そうではないことは明らかな事案ですが、――「何してんねん」と怒気鋭く言わなくてもと思います。よく、注意されたことでキレる人いますね。

 

本件では、勘違い県議さんが、最初からキレていましたが。少なくとも生徒には落ち度ないと思います。悪いことしていなのに、なんであんなこと言われなければならないのでしょう。たとえ「そんなことでは負けるぞ!」であったとしても、生徒たちに向けて、「なんちゅうこと言うねん」ですね。 この県議さん、激励会には出席していなかったが、この生徒たちが選抜高校野球大会に出場することはわかっていたわけです。この人の勘違いと独特の思考回路により、この生徒たちが注意を受ける立場にあったのだとしたら、注意すれば済むことではありませんか。

 

もっとも、この県議さん、生徒には言っていない、バス運転手と学校関係者と話したと言われます。自身生徒は悪くないことわかっていたのですね。なんで「負けろ」ではないにしても、「負けるてしまうぞ」なんて『助言』する必要があるのでしょうか? いつも申しますように、私は、『これでもか!』をやることが大嫌い、最低だと思っています。

 

注意すれば済むところーーもっも、本件では、生徒らは注意される筋合いはありませんが、ーーさらに相手を叩く言動は、容認できません。怒られた人は、もうひとつ下がった位置に身を置きます。さらに追い打ちをかけるなんて、ルールに反しませんか。 この県議さん、自民党に所属して、県会議長も務めた6期めのベテランだそうです。自分が偉い、なんでも言うことが通ると思い上がっていますね。県庁の駐車場は、この人の物ではありません。県民に対してよくこんな態度執れるものです。『負けろ』なのか『負けてしまうぞ』なのか、どっちだって同じ、この人の資質の為せる技、こんな子供騙しな弁明をするなんて、『恥を知れ』です。

 

このところ2012年に当選した自民党2期めの衆議院議員の不倫だの暴言だのが目立っている感がありますが、ベテラン地方議員までこうなんですね。そう言えば、最初、「匿名なので確認しようがない」とトップが答え、「出典は!」「誰が書いたんだ!」の部下の応援により、ウヤムヤになるかと思われた保育園待機児童問題が、「保育園落ちたの私だ!」の国会前での抗議に変わった途端、またしても自民党議員やりましたね。今度はそのブログが、「保育園落ちた 日本死ね」と書かれていたところを取り上げて、あれは落書きだと言うのです。

 

この保育園待機児童率が高い杉並区の区議は、「トイレの落書きと同じ」と言いました。これは、一部マスコミがお好きな言葉狩り、すなわち「死ね!」の部分のみを大きく取り上げて論点をはぐらかせていることはわかります。でもトイレの……とは。臭いものにフタなのでしょうかね。しかも、この夏の参議院議員通常選挙に自民党公認候補として立候補する予定の元区長さん、これまた「落書き」と仰いました。待機児童問題を解決するのは自民党しかないんだそうです。かつて別の政党に所属していたのに、随分持ち上げますね。

 

 

要するに、自分が受け入れられない物、気に入らない物、そして人は、全て上から目線なのです。押さえつければどうにでもなると見て取れます。驕りですね。 この点、野党なんてかわいいものですね。路チューして不倫だと騒がれて党の要職を辞したり、党員にセクハラしたと噂されてーー真偽不明らしいですが、ーー議員を辞職したある政党の幹部もおりました。昨年安保法案が審議されているころ、都内のJRの駅トイレに、『自民党』なる落書きがなされて、警視庁が捜査に乗り出したことは、この『ひとりごと』にも書きました。

 

落書きって、そんなものでしょう。この『負けてしまうぞ!』と言ったとされる県議さん、そんなに自分は「負けろ!」とは言っていないと強弁するなら、トイレにでも行って、落書きしたらどうですか?少しはストレス無くなるかもしれませんよ。

 

たぶんその落書き内容なら、⚪️⚪️県警は、親告罪である器物毀棄罪で捜査することはないでしょう。

 

ニューウェーブと言われたかった週刊誌の不倫に関する報道に寄せて。

2016年4月1日
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センテンススプリングこと週刊文春の活躍に遅れをとった週刊新潮は、かつて自分たちもニューウェーブと呼ばれたいなんて自嘲しておりましたが、この夏の参議院議員通常選挙に、与党公認候補として立候補を予定する男性の不倫問題をスクープし、このところときの人となった件の男性に関する後追い記事が、あちらこちらに出ているようです。


もともと私は、人の生死や男女の問題を、大衆受けするようなかたちで記事にし、これでもか!と報道することには、相当な違和感を持っています。私は、不倫不貞をした人たちを、擁護するものではありませんが、もともと不快なことが、さらに不快になる極みであります。


公的地位にある人の場合は、そのよく言われるところの公人としての資質が問われるとして、まあ、国民?に向けて、その責任の取り方なりを報道することまで、くだらないとは申しません。例えば、男性の育休を推進するを旗印にして、自民党総裁のお褒めめでたい方が、衆議院議員である妻が出産入院中に、女性を家に連れ込んで不貞をしたとして議員を辞職した例は、これでしょうか。

でも、議員の資質、国民に対する責任を言うなら、隠れて不貞をすることよりも、自分たちを支援するのが当然と思い上がっている衆議院議員が、妙齢の女子から「嫌い!」と言われて、「⚪️⚪️のくせに」と自党の議員を前に発言して同僚を笑わせたことや、同じく訪ねてきた支援団体の男性の意見要望が気に食わなかったのか、その人の腹を殴った議員の方がよほどタチが悪いのであって、このような資質の議員の存在とその責任の取り方に関して、広く大衆に報道すべきだと考えます。

特に『ニューウェーブ』が記事にした今夏の選挙に自民党から公認を受けて立候補する予定の男性の不貞問題は、この人が、自分の妻も一緒にお詫びの弁を述べたこともあり、未だ連日あちらこちらに記事が出ているようです。

確かに自民党から出るんですから、まず落選は考えられませんから、議員となることは間違いなく、この人言わば公人予備軍とも言えるかもしれません。でも、マスコミは、その点を論じている様子はありません。不貞相手の数、やり方、そして妻の発言、さらにはこの人の不貞に関する主としてお笑いタレントらのコメントを付して、延々と報じているのです。

不貞不倫はよろしくないと、世間を啓蒙し、アピールしているのでしょうか?でも、そんなの当たり前、時間と紙面をかけて世間に教えてあげる必要があるんですかね。それよりももっと報道して欲しい重要なことがたくさんあります。消費税率アップをしないことを『争点』にして、衆議院が解散されていわゆる衆参同時選挙になるのではないか、いわゆる安保法が施行されることで、日本の平和防衛はどう変わるのか、辞任した前経済再生相の喚問や待機児童問題が起きながら、一般会計総額が、過去最大となった新年度予算を成立されたこと等、国民にとっては、大切な課題情報は少なくありません。


『民進党』なんて、ほとんどのマスコミは、この不倫より、話題性がない取り扱いです。

でも、チョット気になるのは、なんで週刊新潮、こんな不倫取り上げたのでしょうか。

この人、その知名度好感度等からして、東京選挙区から出ても、午後8時に当選確実が出るでしょうし、比例区なら、参議院の場合は、その人の名前でも政党名でも得票となりますから、自民党にとっては、得難い人材だったでしょうに。あるいは選挙期間中に発覚、あるいは野党等に情報が漏れるのを恐れて、何処かからの『内部?告発』だったのではとも思われなくありません。巨大与党となって、大臣になれない、『出世』できない議員も増えて、こんなとき、好感度ある新人が入党したらたまらないとでも焦りがあったのでしょうかね。


私は、件の不倫男性、すぐに事実を認めて謝ったこと、しかも奥さんまで責任の一端があるなんてマスコミに発表したのは、別の思惑があったと思うのです。実際、このところのマスコミ報道により、むしろ庶民の関心は、『不倫された奥さんが謝る必要があるか?』に転じていますから。よくできた奥さんが、この夏の選挙戦、懸命に応援したら、皆さんどうしましょうか?この不倫男性や自民党、そんなことは計算していますね。

この時期週刊新潮がリークしたとされるこの不倫問題、いつまでも寝らないところを見ると、誰かが計算し、あるいは打ち合わせて世間に出たのではとも思ってしまいます。それにしても民進党、チョットは、こちらに関心持ってよと言いたくないですか。

「よい人生だった」と思えるよう、大切な人を作り、増やしたい!このたびFacebookを始めました。

2016年3月31日
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NHK朝ドラ『あさがきた』は、いよいよ佳境に入っています。

 

3月25日の放送では、主人公あさの姉眉山はつの夫、惣兵衛さんが生涯を終えました。

惣兵衛さん、家族を枕元に集めて、「よい人生やった」と伝えました。大切な人がいなくなるとき、この朝ドラ、砂時計が映し出されます。このところあさの夫新次郎さんの登場場面でも、砂時計が出ています。 人は何のために生きるのか、これは哲学、宗教学の範囲に留まらず、人それぞれの思想、人生観により、いかようにも考えられると思います。

 

きさらぎ法律事務所に起こしになる方の中には、災難に逢い、不運な出来事が続いている方がおられます。ときに、何のために生きているのかと仰る方もおられます。私は、人生論を語るような資質も責任も持ち合わせておりませんが、ただ辛かったこれまでのお話を黙ってお聞きします。そして現在存在する法律問題に関して、ベストと判断した方法をもって、この方の今後において、ベターな選択だったと思っていただけるような収めところを求め、法律実務家としてお手伝いさせていただくのです。

 

こんな私の日常でも、自分はもとよりこの世に生を受けた人々は、みな「よい人生だった」と述懐できる生き方、人生の軌跡を残せたとは、ずっと思っています。人生は、文字とおりその人の総まとめ、良いときもあれば辛いときもある、人は『そのとき』総合して振り返るのだろうなと思っています。朝ドラ『あさがきた』の眉山惣兵衛さんの人生は、そんな感じがいたします。七転び八起き、九転び十起きなんて言われますが、元大阪一の両替商の跡取りとして生を受けた惣兵衛さんが、そんな考えで人生を送られたかどうかは別として、柄本拓さんの演技も光り、本当によい人生だったのだろうなと思えました。とてもきれいなシーンでした。

 

さりげなく年輪を踏む妻はつを演じる宮崎あおいさんも、流石ですね。 この日の放送では、あさの夫新次郎さんが、大切な人がいなくなることの辛さを、日本女子大の創立者成瀬仁蔵をモデルにした日の出女子大校長成澤泉に話しかけるシーンがありました。成澤先生は、こう言いました。人生生があるから死がある、死があるから生がある、決して終わりではなく、悲しむべきことでもない、死は恐ろしいものではないと。これに似た説明は、魂は残る、人の生死は繋がっているようなたたえがありますね。

 

こんな説明は、悲しむ人を慰めるために使われる印象が強かったですが。 人は、よい人生だったと思えるよう、日々努力を重ねていくのでしょう。ただ、あさがきたを見ると、本人の努力に加え、周囲の理解協力が不可欠と思えます。協力したくなる、入れ込みたくなるのも、その人の努力あってのことだと思います。

 

主人公あさは、いろいろな人と関わり、人の輪に飛び込みます。少し人付き合いが上手ではないと思える惣兵衛さんは、はつさんを愛し、はつさんが笑うことを生き甲斐にして生きてきたようでした。大切な人に喜んでもらえるのもまた人生の宝、生き抜いた証ですね。人生に悔いなし、大切な人を悲しませることはしない、ずっと生きている、魂は残したと映りました。

 

さて、なんでこんなことを気にかけるかと申しますと、私も来年は60歳となります。人生後半です。よい人生だったとするための努力の必要性、これは人を理解し理解され、社会に受け入れられ、同化していくことだと思えます。

 

そのため仕事に関わりなく、多くの人の中に入れてもらおう、そして溶け込み、理解し理解されたいために、『お友だち』を作りたい!と願い、Facebookを始めたからであります。大切な人をたくさん増やし、また、少しでも大切に思っていただける方が現れれば、何年経っても生き続けることができ、魂は残せると思えるのです。

 

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あなたは夫が不倫したとき、その責任の一端は、自分にあると思えますか?

2016年3月30日
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毎日のように、男女に関する案件と向かい合う私からすると、不倫不貞はしょっちゅう遭遇するので、このところの日本国内の騒ぎ?はなんだろうと感じます。


週刊文春の活躍に影響されたのか、今週は週刊新潮が、大々的に報じているようです。そんなことを記事にするのが週刊誌の役割なのでしょうから、日頃私が捉える『不貞問題』とは視点は異なります。どーでもいいと言いながら、今回私がこの『騒動』に言及するのは、話題の主のお立場や社会的な影響から見て、本質は、コレ不倫問題ではないと思えたからです。


今回ターゲット?にされたのは、大学在学中に450万部のベストセラーの著作を世に出し、東京都の教育委員や教員を歴任された文筆家の男性です。なんでも婚姻後5人の女性と不倫していたとかで、スポーツライターをされるなど、その爽快なイメージとはあまりに掛け離れているとして、かなり批判されておりました。


ちなみに、法律家の世界では、『不倫』とは言わず、婚姻している人が、配偶者以外の異性と肉体関係を持った場合に、『不貞』と言います。この爽やか男性、記事になった途端、『不貞』を認めたそうです。

あるいは、この『ひとりごと』で何かを喋った折、少し口を滑らしたかもしれませんが、私は、この人が、この夏に行われる参議院議員通常選挙に、自由民主党公認で立候補することに驚いたのです。この方の雰囲気、そしてときに出演された報道番組でのご発言からして、この人のご主張、望まれる社会は、どー考えても自民党の政策、現実の社会、そしてこれから描かれる未来に合致するものとは思えなかったのです。


特に、このところの次々に露わとなる自民党議員のレベルの低さ、ヤジや失言はまあ可愛いほうで、委員会で答弁する大臣の横でメールや読書をし、果ては居眠りをする、アメリカ合衆国オバマ大統領は、あたかも祖先が奴隷だった、そしてイクメンを標榜しながら、議員である妻が出産入院中に、自宅に女性を引き入れて不倫して議員辞職した等々、そんなお歴々と、この爽やか男性が同僚になるとは、どうしても思えなかったからです。


議員でありながら不倫したら辞職となるとして、議員になる前の不倫は、別に構わないのかもしれません。そうだとすると、この人の不倫報道がなされると知った途端の素早い行動は納得ですね。

すぐに謝罪文を出しました。

まず、支えてくれた妻に対する謝罪、そして、慕ってくれた人への裏切り行為をしたとして、謝罪がなされています。私は、不貞とは個人的問題、個人の資質によるものですから、社会人として失格であっても、社会に謝るべき性質のものではないと思っています。不倫は、社会的影響が大きい人だけがやってはならないと言うものでもないからです。夫婦間の問題、配偶者に謝るべき筋合いです。

ところがこのお方の奥様、裏切り行為をした夫から打ち明けられ、よく話し合ってやり直すことにしたのだそうです。そして、(こうなった)責任の一端は、妻である自分にあると感じているとメッセージを出しました。


今、この『妻の謝罪』が、マスコミ界で話題になっている様相です。当然、奥さん悪くない、謝る必要なんかないの論調です。キット良くできた方なのでしょうね。私の周りには、まして、依頼事件の相手方には、こんな人、おりませんね。

あるいは本当に、このご夫婦、夫が不倫に走る、逃げるような空気の悪い、葛藤を抱える婚姻関係だったのかもしれません。奥さんは、それを反省?自責の念をお持ちで、責任の一端と仰られたのかもしれません。そうであっても、そうであればこそ、もともと夫婦の問題であり、社会に謝る筋合いではないですね。

誠に残念なことに、私は仕事柄、夫婦の婚姻関係としては、喧嘩が絶えない、別居している等正常を欠いていて、そこから逃げる、あるいはもう配偶者とは他人、離婚しているとでも勘違して、不貞行為に至る方の案件を担当することは少なくありません。私は、たとえ婚姻関係の修復は困難と思えても、婚姻関係を解消、すなわち離婚していない、少なくとも調停等その手続きに進んでいないのに、不貞をしたらアウト!と申します。


こんなとき、年中行事になっているのは、『婚姻関係破綻後の不貞だから、不法行為にはならない』との抗弁ですが、これはダメです。それなら離婚すべきなのであって、これをしないのは、しないなりのメリットがあったからです。メリットとは、「自分はもうパートナーのところには戻らない、だけどパートナーは離婚しないと言っている、これを切り出すと面倒だ」を当然に含みます。それよりも、こんなご夫婦であっても、パートナーが不貞をすると、絶対に許しません。返って離婚しないとか、不貞の相手となった人に対して慰謝料だとか騒ぎます。パートナーだけが楽しそうに、しあわせになるのは許せないのですね。


話がかなり逸れました。このご夫婦、本当にうまくいってなかったとしても、奥さん、自分に責任があるなんてよく仰ったと思います。私なんかからすると、私の依頼者が不貞に至ったのは、本当に、責任の一端はパートナーにあると言いたいことは、しばしばです。でも、言いません。不貞をされたパートナーが、自分も悪かったなんて述べられたケースは、1回もございません。


他人の夫婦関係は、他人にはわかりかねるものです。件のご夫婦、本当は、奥さんは全く悪くなかった、不貞した裏切り者の夫が100%悪かったのだとしたら、なんで自分にも責任の一端なんて言って、世間に謝ったのでしょう。マスコミ界では、このご夫婦の実態がどうだったかなんて検討するまでもなく、「奥さん悪くない!」でほぼ一致しています。

奥さん気の毒、良くできた人、人格者、優しすぎる!等等賛辞が続々でしょう。特に、世の中の女性からは、相当注目されますね。浮気した夫を許せたのですから。

女性に好かれる、人気があるとどうなるか、これ、選挙には最大の武器ですね。あるいはこのご夫婦、夫婦の『その先』を見据えたのかもしれません。奥さんと並んだ選挙カーで、誰が『不倫!』って、ヤジ飛ばせますか?そうでなくても、選挙戦の時期には、この候補者が、かつて不倫していたことよりも、この方の奥さんが、出来すぎた対応をされたことが、記憶に残っているでしょう。もし、同情票なるものがあるとしたら、誰に同情したことになりましょうか?

開業した北海道新幹線に期待するもの

2016年3月29日
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3月26日に新青森駅から新函館北斗駅間が開業した北海道新幹線、開業初日1番列車指定席は、発売30秒で完売となりましたが、開業直前に、初日から9日間の平均乗車率が25%に留まることが、JR北海道から明らかにされました。あまり人気を博さないことについては、各方面から、いろいろな理由が挙げられています。料金が高い、新函館北斗駅が函館駅から離れている、『4時間の壁』が破れていない等等です。
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今回開通した区間、首都圏にいる人は、あまりピンと来ないかもしれません。昔青函連絡船が運航されていた津軽海峡をほぼ挟んだあたりと思ってください。以前この『ひとりごと』でも書きましたが、青森駅は本州の、函館駅は北海道の始発駅でもあり終着駅なのです。つまり、地形上新幹線を入れることはできないので、方や新青森駅、方や新函館北斗駅となったのです。





そして新函館北斗駅からは、将来札幌駅までつながることが決定しています。新青森駅と新函館北斗駅間は、148.8kmです。この区間の新幹線自由席料金、そして所用時間が、利用客の増加を見込めない要因とされている様相です。


新青森駅新函館北斗駅間の新幹線自由席料金は3.930円で、他の新幹線に比べて極めて高いです。例えば、東京から福島、長岡より高く、新大阪広島間とほぼ同じです。『4時間の壁』とは、航空機と新幹線の利用客が逆転するラインと言われるものです。東京から新函館北斗駅まで、4時間を切ることができていません。


それは、青函トンネル内は、時速140kmで運行されることが、かなり影響しているのだと思います。羽田空港から函館空港までは、離陸後飛行時間は1時間かかりません。時刻表上も、1時間20分くらいです。しかも、函館空港は、市内湯の川にあり、比較的観光にも便利な位置にあるのです。新函館北斗駅から函館駅まで、『函館ライナー』なる電車に乗り換えなければならないことは、かなりJR北海道には痛いことではないでしょうか。


私は、福岡に行くとき、新幹線は利用しません。司法修習生のときは、ブルートレインやときには新幹線も利用しました。旧国鉄時代、ブルートレインと新幹線ひかり号のグリーン車が利用できる『グリーンきっぷ』なるものがあって、盆正月でも確か3万円台で使えたからです。それから航空会社も、割引きっぷを売り出すようになりました。羽田福岡間は、使い方によっては、かなり安く行き来できます。片道1万円台前半なんてザラです。


さて、羽田函館間は、うまくすると12.000円くらいだそうです。JR東日本の最安売り商品とされる東京都内から新函館北斗までのスーバーモバイルSuica特急券を使っても、航空料金より高い設定です。なんか北海道新幹線は、初めから東京あたりの人は、利用しない前提で運行されているようです。それと、北海道新幹線は、航空機と勝負するつもりがないことが見て取れます。この点、北陸新幹線とは違うようです。


『4時間の壁』で言えば、東京駅から新幹線のぞみ号で、広島駅までが、だいたい4時間です。のぞみ号が頻発する前の時代は、東京からだと、岡山でほぼ拮抗、広島で新幹線より航空機になると言われていました。


しかし、新幹線のスピード化と合間って、広島までは新幹線が有利の感があります。現在は、山口宇部で逆転、福岡は、まず航空機だと言われます。

JR北海道によれば、北海道新幹線新青森新函館北斗間は、1日の乗客数約5.0000人、乗車率26%と見込んでいると発表されました。そうすると、特急料金が3.930円だとすると、年間71億7225万円の収入です。これだけ高い!と文句が出る特急料金ですが、JR北海道が、国土交通省に申請した資料によると、開業3年時の特急料金収入は、70億9500万円と記載されていたことが明らかとされました。


すると、初めから北海道新幹線は、乗車率26%程度の収入しか見込めないとして、運行計画を設定したことを意味します。これは、立派なインフラ、公共事業なんでしょうね。航空機を意識せず、また、他の新幹線との『料金比べ』を気にする必要もなかったと言うわけです。

昔国鉄の分割が民営化持ち上がったとき、推進する側から、特に北海道の実情が、槍玉に上がりました。カラの列車を走らしている、1日たった数本の運行のために、駅係員がいる等です。

過疎もいち早く進んだのでしょう。

私は、北海道新幹線が、ガラガラで過疎路線となるとは申しませんが、ブルートレインを廃止してまで運行されたのですから、意義のあるみんなに愛される鉄道であって欲しいと思います。


北海道は、札幌一極化が進むいっぽうだと感じますので、北海道新幹線が、まずは道内に人を呼び込む、送り込むきっかけを作ってくれたらと願います。ただ、そのために何が良いのか、先のJR北海道の出した数字を知ると、もう開業9日間で、水をさされた感じがしないではないのです。


頑張れ北海道新幹線!