鉄道利用者は、通勤客だけではありません。

2016年3月21日
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春は新学期、シーズンの開始、別れと出会い等の季節です。JRをはじめ、鉄道会社では、この時期大きなダイヤ改正が行われます。

 

特にJRは、昨年北陸新幹線が開通、今年は、いよいよ北海道に新幹線が入ります。2020年には、中央快速線に、グリーン車が登場することが予告されています。この春気付いた鉄道のことをしゃべります。 北海道新幹線が、青函トンネルを通って、新函館北斗駅まで伸長することで、青函トンネルを通過する在来線にも影響が出ます。上野駅と札幌駅を結ぶ寝台特急の廃止は、東京でもよく報道されましたが、日本で最後のブルートレイン、しかも急行列車が消えることは、鉄道ファンでなければご存知ないと思います。

 

青森駅から札幌駅を結ぶ夜行急行『はまなす』が、今月21日で廃止されました。 この列車は、夜間青函トンネルを通過することで、青函連絡船を懐かしむオールドファンや、列車乗り継ぎの旅を好む若者らに愛され、東北地方から道内への帰省にも利用されていたと聞きます。私も1回だけ青函トンネルを通過したことがありましたが、今となって新幹線以外で通ったことは、ひとつの思い出になると感じます。

 

3月15日未明、埼玉県熊谷市のJR籠原駅構内で、火災が発生しました。

 

これは、電車に電気を供給する『き電線』を吊り下げていた絶縁体が腐食によって破損、架線を支える金属製のはりに接触、これにより1.500ボルトの電流が漏電して火災が発生したのだと説明がありました。なんとまる2日間籠原駅を挟んでJR高崎線は運転できず、東京方面からは、熊谷駅までしか行くことができない事態が生じたのでした。

 

 

私が関心を持ったのは、この事故により不通となった区間の振替輸送のことです。首都圏では、毎日のように何処かで起こる列車遅延による振替輸送、一般的には、並行して走る別会社の路線等を利用することになります。例えば、東海道本線川崎駅あたりで事故があると京急が、総武快速線津田沼駅あたりで事故があると京成が、京王線調布駅あたりで事故があると中央快速線や小田急線が、振替輸送の対象とされます。振替輸送の券を交付され、料金は無料です。 鉄道網が首都圏とは異なる地域では、不通区間は、たいてい代行バスの運行によるのです。

 

 

ところで今回の熊谷駅岡部駅間の振替輸送として、新幹線の利用が認めれております。この区間、大宮、熊谷、本庄早稲田、高崎と新幹線の駅があります。熊谷駅と高崎駅の間の通勤定期券を所持してある乗客は、新幹線が、特急料金なしで利用できると言うわけです。これは地方そして地形が影響して、可能となった面もあると思います。

 

この『ひとりごと』でも、在来線の駅の横を新幹線が通過していると、やがて新幹線駅が開業される可能性について触れました。熊谷駅はもともとあったわけですが、在来線と新幹線は、あまり離れていないことが便利の一面でした。 首都圏では、通勤時必ず座れる列車が登場しています。JR東日本では、『湘南ライナー』と言う通勤時着席券を利用して乗車する列車が昔から走っていて、ロマンスカーを運行する小田急線では、『ホームライナー』が多数運転されています。京成や京急でも、続々登場しています。

 

新宿小田原とか、品川久里浜等は、特急電車でもかなり時間がかかるので、通勤客からは、重宝されているようです。 ところで今月京王電鉄が、2018年春から、必ず座れる座席指定列車を導入すると発表しました。帰宅ラッシュ時にあわせて、新宿から八王子と橋本までの区間で、定期券とは別に数百円プラスして乗車する仕組みです。京王電鉄は、このため新型車両5.000系を5編成入れるのですが、この車両、座席指定で走るときは、進行方向を向けて2人かけシートで、通常の通勤電車として走るときは、シートが回転してロングシートに切り替わる構造で、車内には空気清浄機やコンセントを備えるとのことです。

 

画期的とは言えるでしょう。 京王電鉄は、新宿と八王子または相模原市の橋本を結ぶ路線で、その間40分くらいです。現在の特急は停車駅が多く、準特急までできて、慣れない人には、決して優しくない路線だと思います。最近見た統計では、京王線は、通勤時間帯に、列車遅延が起きるワーストになっていました。通勤時間帯、特急に乗車していても、必ず駅間で停車してしまいます。特に新宿駅は、ホームが3線しかなく、しかも特急用のホームは狭いので、混雑に拍車をかけているように感じます。

 

 

新設される通勤特急?を優先すると、他の特急等のダイヤはどうなるのか気になります。先に申しましたとおり、京王線は、特急停車駅が増え、準特急なる列車が特急より多く、急行停車駅も増えています。この政策と整合性はあるのか、どこに向かい、何を目的にしているのか見えません。むしろ、休日高尾山口に向かう観光列車にでもすれば良いのにと思います。私は、かつて雪や震災に強いとして名を馳せた京王線こそ、この鉄道会社の持ち味と考えています。

 

北海道とか新幹線、まして青函トンネル等私からすると遠い話、遠い場所です。関心はやはり『日常』、日々の通勤電車となりましょうか。首都圏は、鉄道網が発達していて便利、しかし、これをどう利用するかは乗客それぞれです。

新しい電車には乗ってみたい子どものような気持ちと、鉄道は、利用者のためにある、公共交通機関の役割を考えされられるこの春の報道です。

ある経営コンサルタントの番組出演辞退の報道に寄せて。

2016年3月18日
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今年の流行語になりそうな『センテンススプリング』こと、週間文春は、今、自民党から警戒されているようです。特に「保育園落ちたの誰だ」「私だ!」を巡って、世論、特に子育て世代から、政府与党に対する批判が起きていると認識しての『注意』です。

 

これは自民党の総裁が、内閣総理大臣として、衆議院予算委員会で、この保育園落ちたとブログに書いた人について、「匿名である以上、本当に起きているか確かめようがない」と答弁し、これを援護したかったのか、褒められたかったのか、予算委員会に出席していた自民党議員が、「出典は!!」「誰が書いたんだ!」「誰の言葉だ!」等とヤジを飛ばしたことが機縁です。

 

週間文春は、『保育園落ちた!日本死ね!』と題するブログは、ヘイトスピーチだと発言した与党重鎮や、自分の息子夫婦も保育園入園に苦労した、別の区の月額200.000円以上する保育園にようやく入れたと説明して、保育園ママさんたちからの署名を受け取った安倍内閣の閣僚等、また、総理大臣と答弁中にヤジを飛ばした議員らの情報を集めて、それを記事にしようとしているからなのだそうです。

 

そう言えば、父親の育休を推進しようとし、安倍晋三総裁から、結婚披露宴で激励された自民党議員が、妻の出産入院中に、不貞をして議員を辞職したことがありましたが、あれも週間文春の記事が契機でした。 確かに新聞紙と週刊誌は、報道目的は違うのかもしれませんが、通勤電車内の吊り広告で知る限り、芸能人どおしが不倫したとか、私からするとどーでもよいことばかり記事にしているようで、週刊誌の情報を真摯に受け取っている人はどれくらいいるのでしょうか?

 

そもそも不倫だとか失言とかは、それを行ったのは事実ならばどーしようもないことであり、変に弁明することこそおかしいと思っています。バレなければよいとの考えが見え隠れします。

 

そんな活躍目覚ましい週間文春ですが、今週の吊り広告には、ある経営コンサルタントの男性の学歴詐称を記事にしていました。

 

この方、彫りの深い少し褐色の顔で、低音できれいな声でしゃべるので、その横文字で表記されるお名前とともに、まあ、同姓の私からしても、『カッコイイ』人だと思います。この人、朝のバラエティ番組にも出ていますが、政府与党から、何かと目の敵にされる報道番組にも出ています。この報道番組では、ゲスト出演される学者先生や新聞社の主幹たちとは、チョッと違うコメントをされます。それで私は、報道番組では、バランスも大事と思い、この方の特に格差や福祉に関するご意見を、拝聴していたわけです。

 

今回の週間文春の記事では、この方のアメリカ合衆国での学歴が、虚偽だったとするものです。卒業したとされる大学については、世界各国を遊学していて戻らなかった、取得したとされる経営学修士(MBA)の学位も、経営大学院には、セミナーを受講したくらいで、学位、修了証が発行されるようなプログラムへの参加は一切ないと述べられました。

そして、経営コンサルタントの仕事には、これまで学歴が関係したことはなかった、確かにホームページには、事実と異なる記載がされていたが、ホームページを見て集客することはなかったので、そのままにしていたとのことであります。

ところでこの経営コンサルタントの方、この虚偽記載ーーの状態が放置されていたことーーの責任を強く自覚して、今後報道番組等への出演は自粛すると発表されました。これはひとつの責任の取り方であり、変に弁明して騒ぎ?が大きくなる前に収めたのは賢いと思います。この点、どこかの政治家たちとは違いますね。

 

もっとも、あちらは、不合理な弁明をしても、そのまま通るようですが。落選したなんて聞きませんから。 ただ、この経営コンサルタントの先生、なんでホームページに間違った学歴が掲載されたのか、説明されていなかったようです。そのまま放置したとされるのは、もう、ホームページからお客様が来ることはない、そんな必要がないところまでご自身上り詰められましたから、そのことは本当なのでしょうね。

 

私は弁護士ですが、学歴が仕事に影響することはありません。ただ、弁護士に相談しよう、依頼しようとお考えの方には、『経歴』は、気になられるようです。よく、「何が専門ですか」と尋ねられることがありますが、経験は、弁護士選択のひとつのポイントになっていると感じます。

 

きさらぎ法律事務所ホームページの中でも、『福本悟の経歴』が、アクセス回数が多いことがわかります。であれば、この箇所について、もし、事実と異なる事柄が掲載されていたら、どうなるでしょう。 こちらは、経歴、特に学歴をポイントにして、依頼する動機となったとは考えていないわけですが、それは仕事を行う人間の目線でしかないのかもしれません。週間文春で、虚偽の経歴掲載が暴露されたこの経営コンサルタントの方、もしかしたら、そう思っているのは当人だけであり、顧客側は、掲載された経歴に惹かれて諸々を依頼する動機となったのかもしれません。

 

例え経歴は関係ないお仕事であったとしても、あえて事実と異なる経歴を掲載する必要があったのでしょうか。最初のホームページは、誰が、なぜ間違った経歴を掲載したのでしょうか。顧客はホームページから来ないとわかっていたら、そんな紛らわしいホームページ、閉鎖してしまえば良いように思うのですが。

 

この方、報道番組の出演を辞退され、また、来月からメインMCに起用される予定の番組にも、出演辞退を告げたそうです。

 

このいち早い行動決断は、評価に値しますが、急な幕引き?なんかドタバタし過ぎな感じがします。ただ、嘘が発覚したときの対応に関しては、最近の国会議員や企業の経営陣にも見本となっていただけたらと思いました。

 

何か釈然としないセンテンススプリングに迫られたケースの対処です。

最近発覚した『野球賭博』に関する報道に寄せて。

2016年3月17日
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春と言えば、今年度のスポーツシーズンが始まる季節でもあります。サッカーJリーグは、既に2月から開幕していて、今月末には、『春は選抜から』と言われる選抜高校野球甲子園大会があり、そしていよいよブロ野球が開幕します。


ちなみに、開幕3戦を終えた時点で、きさらぎ法律事務所が法人後援会に登録されているサッカーJ1に所属する『アビスパ福岡』は、未だ勝利がなく、単独最下位となっています。


ブロであれば、勝つことが大事、勝てばお客さんも増える、運営主体にお金も入れば、選手の年棒も上がり、また、スポンサーも増え、人がお金が人を呼ぶ、選手もやり甲斐を感じることは否定できないでしょう。そんな選手のモチベーションを上げるためと言う理由で、開幕を前にして、ブロ野球界を賑わしている『事件?』が起きています。


昨年発覚した読売巨人軍に所属する選手の賭博問題に端を発した試合中、また、練習中に選手間でお金を集め、支払いをしていた行為が発覚しています。

昨年読売巨人軍に所属する現役選手3名が、いわゆる野球賭博行為をしたとして解雇されました。現在この人たちは、球界から失格処分を受けているのだそうです。ただ、自分がプレーした試合は賭けの対象にはなっていなかったので、野球規約に違反する敗退行為、すなわち八百長をやったことにはならないと認定されました。

このとき漏れていた現役選手が、賭博を誘って来た者から、その後もアプローチされることに耐えられず、このたびかつて野球賭博をした事実を球団に申告したことから、再び読売巨人軍を取り巻く賭博問題が露呈したものです。


4人めの野球賭博経験者は、謹慎となり、球団からプロ野球コミッショナーに通報されました。解雇や失格の措置が予想されます。そしてこの件が発覚したところ、なぜ昨年の調査で把握できなかったのか、もっと隠れた事案があるのではないか等取り沙汰されたところ、読売巨人軍について、別の事実の存在が明らかにされました。

数年前のペナントレース中、読売巨人軍が、連敗が続いて士気が上がらないとき、試合中ベンチ入り選手が円陣を組んで掛け声をやるのに、この『声出し』を巡って、各自数千円のお金の動きがあったのだそうです。すなわち、チーム各人が5.000円くらいを出し、もし試合に勝てば.この声出しをした選手がこれを受け取り、負けたら声出し担当選手が、選手全員にひとりあたり1.000円くらいを支払う仕組みなのだそうです。


読売巨人軍によると、ほとんどの選手が、これに参加していたと言います。ひとりあたり数千円であっても、『勝った』場合には、10万円以上の金額を手にする計算です。当時主力メンバーだった現読売ジャイアンツの監督が加わっていたかどうかは、把握していないとのことであります。


読売巨人軍は、昨年段階で、この事実を概ね把握していて、NPB日本野球機構にも報告されていたのです。NPBは、この声出しは、敗退行為には該当しないとし、読売巨人軍は、少額で、験担ぎの意味合いもあり、賭事とは認められないと判断したと述べています。少額かどうかは、個人の受け取り方かもしれませんが、私は、NPBの判断や、読売巨人軍の解釈には疑問があります。でも、いちばん言いたいのは、「なさけない!」と言うことです。

敗退行為、すなわち八百長の可能性は低いでしょう。これが始まった契機は、負けが続いたから、なんとか士気を高めるとの意図に出たものとされるからです。しかし、摘発された野球賭博とは異なり、現に試合する選手たちが賭けていたのです。もし、彼らが、もう自軍は勝ち続けてーー例えば既にリーグ優勝を決めた等ーー士気を高める必要はないときに、声出しをやる人間を陥れることはできます。


「あいつ、いつも儲けやがって」と反発して、わざと手を抜いて負けることはあるかもしれません。

と言うよりも、正に今私が例示したように、八百長なんかしなくても、したに違いないと疑惑が持たれる可能性があることでアウト!ではないでしょうか。また、確かに選手は、勝ちか負けかを選んでお金を出しているわけではないので、バクチのイメージは薄いかもしれません。ただ、お金を出した対象は、まさしく勝負の世界、偶然の事情により決まる性質のものです。


賭博罪が存在するのは、いたずらに射幸心を煽り、勤労の美風を失わしめ、国民の経済活動を損なう恐れがあるからだとされます。もしかすると、声出しを担当した選手は、ブロとしてのその試合でのプレーそのものよりも、そうやって声出しを上手くやってーー勝利に結びつけてーー十数万円を得ることに、気持ちが移る気配はないでしょうか。また選手たち、まさか負けても1.000円?と言う保険がある!とは思わないでしょうが。


それにしてもなさけない!。試合前に、ーー彼らにとっては、ーー小金を集めて気合を入れているなんて。賭博罪は、一時の娯楽に供するものについては成立しません。タバコ1本を賭けたような場合が例示されます。読売巨人軍は、今回発覚した声出しに関しては、選手が出した金額が少ないので、賭博罪の対象外であると言っています。千円出した、最大でも十数万円受け取れるだけだから構わないと言うことのようです。プロ野球としての問題の本質は、そんなところにあるのでしょうか?

読売巨人軍の選手たち、これから始まる試合に、お金を出し合っていたのです。球団が言うように、験担ぎだとしたら、そんなことしか思いつかなかったことは、なさけないとは思えないのでしょうか。お金の計算とか集金なんて、いつどうやって行われていたのでしょう。子どもたちに夢を売る仕事なんて私は言いませんが、これがプロ野球選手のやることなんでしょうかね。1.000円貰ったから負けてもいいやにならないとも限らないと思います。まあ、1.000円が大事なのは、私くらいの経済力の者だけかもしれませんが。

サッカーJリーグで、選手ではなく、サポーターの心ない行為で、あるチームが無観客試合を行ったことがあります。ある年のサッカーワールドカップアジア予選でも、ある国のサポーターが、不適切行為をしたため、その国のサッカー代表チームが、中立国での無観客試合を行ったこともありました。こちらは、選手ではなく、これを応援するファンの不適切行為が問題とされたものです。



プロ野球界は、自浄機能はないのでしょうか。ファンあってのブロではないのでしょうか?


私は、最高顧問の辞任は、目くらましとしか思えません。

もっとも、本当のところ、公営ギャンブルが存在することの意義つけは、私にはわからないのですが。

公共交通機関を利用する場合のマナーについて

2016年3月16日
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東京で生活していると、特に車を運転しない私は、電車等の公共交通機関を利用します。

 

よく、車内マナーが問われます。携帯電話での通話、大声でのおしゃべり•音楽視聴、化粧•飲食や席に荷物を置いたり、出入口に立ち止まる、座り込む等等あります。こんな迷惑行為をする人は、社会性公共性に欠けるわけですが、電車等の交通機関をいつも利用して慣れている、つまりなめているのだと思います。交通利用者として、迷惑非常識な行為となっていても、どーせ命とか安全には影響ないだろうと、たかをくくっているのです。

 

日常とは多少離れた交通機関を利用する場合は、いくらかマナー違反は減っていると思います。例えば、家族旅行で新幹線を利用することは、そんなに頻繁ではないのが、いかにアベノミクスが前進していると言われても、『消費』が活発化しない現状での一般家庭かと思います。新幹線等の車内で、子どもが騒いだり、走り回ることはあまり見かけません。家族、そして子どもも、日常ではない場面ゆえに、慣れがなくて、緊張感があるのだと感じます。 これが航空機だとどうでしょう。

 

昔フジテレビで放送された『北の国から』で、田中邦衛さん演じる 黒板五朗さんが、息子純の不祥事を詫びるため、かぼちゃを持って、東京に来たときのことです。仲間から、飛行機に入るときには靴を脱ぐと教えられーーからかわれーーた場面がありました。からかわれたのは、少しでも五郎さんの緊張を解こうとしたほのぼのとしたシーンでありました。今から10年くらい前でしょうか、私が福岡空港からの帰路、JALのクラスJに座っていて、搭乗機がボーディングブリッジから離れて動き出したとき、すなわち、トーイングカーが接続されて、この車両が、航空機を『プッシュバック』したそのとき、隣の席の高齢の男性から、「これ、後ろ向きで飛ぶんですか?」と尋ねられたことがありました。

その隣には、奥さんと思われる女性が居て、私の答えを真剣に待っている様子が、横目で見えまし た。「いいご夫婦だな」と思ったことを覚えています。真面目に生きて来られたことが、すぐにわかる実直な方たちでした。 しかし、このところ、ほのぼのでもなく、実直でもないおふざけとしか思えない航空機利用客のマナー?が立て続けに報道されています。いずれも日本国内の出来事ではありませんが、迷惑、危険この上ない行為です。

 

アメリカロサンゼルスの空港に着陸した航空機内で、女性客どおしが、つかみ合いの喧嘩をした様子が、動画等で流されています。理由は、機内のオーディオの音が煩いことだと言うものですが、機内の乗客は、音楽の音よりも、女性たちの乱闘騒ぎの音が煩いと表現されていました。まだ機体が静止する前のことだったようで、危険な行為です。 中国国内では、信じられない乗客の行為がありました。四川省成都からウイグル自治区ウルムチの空港に向かう中国南方航空機で、離陸を待つ機内で、乗客が、非常口ドアを開けてしまったのです。ドアを全開にしたこの乗客の男性、機内が蒸し暑かったので、窓?を開けたかったのだそうです。

 

離陸前でしたが、誰も止めなかったのでしょうかね。

 

客室乗務員から、緊急時以外には、絶対に非常用設備には手を触れないようにアナウンスがありますが、そんなこと言われなくても、航空機に乗る人なら、わかっていると思うのですが…。この航空機、1時間遅れで離陸したとのことですが、この程度?の影響に収まったのは、なんとかの幸いと言いたくなります。

 

エールフランス航空のトルコイスタンブールからフランスパリに向った機内から、乗客のスーツケースの中に、4歳の子どもが、『収納』されて『搭乗』していたことが発覚したと報じられています。スーツケースに子どもを隠して搭乗した女性は、ハイチから連れて来たこの4歳の女の子を養子にするため、イスタンブールに向かい、税関検査を通過しようとしたところ、この子の搭乗を拒否されたことから、手荷物として収納して、航空機に乗り込んだと言ったそうです。

 

国内線しか搭乗しない私ですが、以前お話したように、手荷物検査には、ビミョーな感じをづっと持ち続けていたので、なんで手荷物検査にひっかからなかったのか不思議です。昨年でしたか、9歳の少年が、スーツケースの中に隠れていたところを、スペイン当局の手荷物検査場のスキャナに『発見』されたことが報道されましたが、今回は、機内に入って、スーツケースから出して、この乗客の足元に毛布をかけて、『置いていた』のだそうです。

 

この子が、トイレに行きたいとなって、事実が発覚したと言うことです。フランス当局は、いったん身柄を拘束したこのフランス人女性を訴追しない方針と言われますが、刑事責任がどうこうよりも、『こんなこと!』が行われたことが、航空機の安全の観点から、とても気になるところで あります。 さて、日本では、女子高校生が、地下鉄の線路内に無断で立ち入り、電車のレールと、別の架設されている高圧の電流が流れている給電用レールの間を飛び跳ねている姿が動画とされて、『炎上』しております。

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そんな行為をすることも、これを動画にして発信することも全く理解できません。

 

通学にいつも利用する路線であるから、電車や電流に対する緊張感はないのでしょうかね。これはもう、マナーの範疇ではないと思います。 これら挙げた行為は、ひとつ間違えば、自分や他人の命を危険に晒す行為であり、迷惑行為では済まされません。航空機のドアが閉まれば、機内に居る人の目的は一致しています。

 

『この便で、安全に目的地までたどり着きたい』。

 

さて、そんなことを考えながら、『いつもの指定席』で、これから搭乗する航空機を眺め、機内に入って着席し、今日の安全を祈ってシートベルトをつける日常です。

明太子、餃子も、日本と大陸との歴史のひとつです。

2016年3月15日
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私が福岡市を、『アビスパ福岡』を語る上で、しばしば出てくる話として、『博多と明太子とふくや』の関係です。

福岡市博多区中州に本店がある明太子の老舗『ふくや』さん、初代川原敏夫氏は、日本にめんたいをもたらした方です。『ふくや』の店頭に初めて明太子が並んだのは、1949年(昭和24年)1月10日だったことから、日本では、1月10日が『明太子の日』とされていることは、この『ひとりごと』でもご案内しました。

川原敏夫氏は、朝鮮半島釜山から博多に引き上げた方ですが、釜山で食したスケトウダラ、これを明太すなわちミョンチと韓国では言うそうですが、これの唐辛子漬の味が忘れられず、自分を受け入れてくれた博多の人たちに味わってもらいたい思いから、福岡博多の、そして日本人に合った明太子を作ったのでした。

スケトウダラは、福岡沖では獲れません。私は、明太子が福岡の名産品になったわけは、長い間知りませんでした。要するに、川原敏夫氏が連れてきたのです。人により、人の動きによって、その街の名物が作られることは結構ありますね。宇都宮の餃子もそのひとつだと思います。先日宇都宮に行く用がありまして、餃子と⚪️⚪️⚪️をやりながら、パンフレットを見て、宇都宮と餃子の歴史を知りました。

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宇都宮の餃子の始まりは、戦前陸軍第14師団が、補充担任を宇都宮師管区として、昭和15年以降満州チチハルに進駐、戦後宇都宮の復員した将兵が、満州で食べた餃子の味を思い出して作るようになり、市民に溶け込んだのだそうです。宇都宮の気候は、餃子の原料となる小麦粉や白菜の生産に適していたことも、餃子の街となった一因と言われます。宇都宮と毎年『餃子日本一』の座を争う浜松市も事情は同じようです。こちらももと満州にいた復員兵が、市内で餃子の屋台を引いたのが最初と言われています。ただ、浜松市では、戦前より、市内の中国人が開いていた中華料理店では、既に焼き餃子が出ていたとの説もあり、宇都宮と浜松どちらが早いのかは別として、いずれも中国、満州がルーツだったことは間違いなさそうでです。

この例のように、人が物を運ぶ、美味しい物には国境はないことに気づきます。中華麺のイメージがあるラーメンですが、逆に日本から韓国にもたらされたとも言われているようです。なぜ朝鮮半島や旧満州の食べ物が日本にもたらされたのか、そこもまた『歴史』です。都合の悪い歴史は引き継がないのはアンフェアですね。まさしく美味しいとこ取りでしょう。
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ふくやの川原敏夫氏は、こんなことも仰っています。福岡博多は、何の縁もゆかりも無い自分を受け入れてくれた、そして、自分は、先の大戦で沖縄戦に駆り出され、多くの人間が死んでいくところを見てきた、自分は生かされた、朝鮮半島釜山でも、なんとか生き延びて、命からがら帰国できた、多くの人の生き死にを見て、多くの人に支えられて生きられた、そして博多の人は受け入れてくれた、だから感謝の気持ちを持って、精一杯美味しい明太子を食べていただきたいと言うのです。 日本と韓国、中国は、戦後友好を深めてまいりましたが、なお心底分かち合えないところがあるようです。ある内閣になってからは、特にそう感じますし、ネット上で見られる国民の意識からも、感じることがあります。そんなときは、明太子や餃子を思い出しましょう。美味しい餃子を食べながら、こんなことを宇都宮で考えております。