小樽運河とサケの遡上

2014年10月7日
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「逢いたい気持ちがままならぬ 北国の町は、つめたく遠い」写真 1 H26.10.07

北のウォール街と呼ばれたかつての道内最大の商業都市小樽。

小樽市出身の鶴岡正義と東京ロマンチカの名曲は、この小樽を舞台にしています。

小樽は、富良野美瑛に並んで、福本が好きな北海道の街,そして景色です。

小樽の裁判所には、きさらぎ法律事務所開設以来、10回近く通いました。

そして、高台にある裁判所から眺めた小樽の街も、素晴らしいです。

 

でも、今回は、裁判所に行ったのではありません。

 

逢いたい人,いや、逢いたい「生き物」がいるのです。

それは、この時期、道内の川を遡上するサケです。

現在の小樽と言えば運河でしょう。小樽運河に、サケが現れたのです。写真2  H26.10.07

お世辞にも「きれい」とは言い難い運河に、サケさんの姿を見つけました。

運河に入り込む近くの小さい川に、昇っていくのです。

この川は、水量が少なくて、ただでさえ長い道のりを、必死にたどり着いたサケは、

本当に傷だらけになって、最後の力を振り絞っているかのようでした。

 

ただ、小樽に訪れた日の前後は、珍しい大雨が続いたとかで、水量があって、

いくらか痛々しさが緩和されたと感じると、地元の方に言われました。

 

サケは、母なる川に戻ります。

 

成人して、今まさに親になろうとするとき、きっと、自分のお母さんを追いかけてきたのでしよう。

さて、離婚での親権,別居中の監護権について争われます。

 

未成年者の親権・監護権を語るとき、父母どちらが、その子を出生から現在まで、中心になって、主体的に接してきたかがポイントだと言われます。

この「主体性」とは、「精神的情緒的つながり」を意味します。

そのため、特に未成熟子の場合は、「母親がふさわしい」と結論付られることが多いのでしょう。

 

ただし、暴力・育児放棄などが顕著で、子を保護する必要性が高いときは、別だとされます。

親権・監護権が争われるケースでは、しばしば父親側から、母親は、育児放棄したとの主張が出されることがあります。

 

夫婦間に諍いがあっても、子どもが特に小さい間は、子は、お父さん、お母さん、どちらも好きなのです。

 

暴力や育児放棄を受けている子、例えば児童相談所の管轄内で生活している子も、お父さん、お母さんが会いに来てくれることを、楽しみに待っていると聞きます。

親権者あるいは監護権者に指定されなかったお父さん,お母さん,お子さんは、離れていても、お父さん、お母さんが大好きなのです。

養育費の支払い,面接交流を通じて、子を愛し、責任を果たしていることを実感してください。

よく、「子どもは、監護親の顔を見る」と言われます。

元夫婦間に、葛藤が激しいケースでは、親権者となって、子を育てている親は、なかなか面接交流に、積極的になりません。

子どもは、わかっているのです。

こんなとき、「子が(父または母に)会いたいと言えば、会わせる」という答えが、いちばん悪いのです。

 

子は、監護親が嫌がっていることは、誰よりもわかっております。

以前、『離婚男女問題』で申しましたが、離婚により、相手も変わるのだと思い込む努力をしなければなりません。

 

また、なんらかの理由で、子を虐待等してしまったお父さん、お母さん、それでもお子さんは、あなたが大好きなのです。サケは、見たことがない親を探して、母なる川に戻ります。

 

なんらかの理由・事情により、お子さんと離れて暮らすお父さん、お母さん、お子さんは、あるいは、記憶がない父、母に会いたいと思っております。

ルーツを探して旅立つと言われますね。

こんなとき、『会いたい気持ちがママならぬ』とはなりませんように。

 

小樽のサケさんと会って感動いたしました。