10月22日は、平安京に遷都した日にあたるそうです。
「千年の古都」と称される京都は、794年10月22日から明治時代に入って東京が首都となるまで、日本の政治・文化の中心を担っておりました。
子どものころは、「鳴くよ うぐいす 平安京」と年号を覚えたものです。
平城京遷都の年号は、「南都 立派な 平城京」と覚えました。
奈良を「南都」と呼んだのは、平城京より後のことでしょう。
そうすると、平安京が「うぐいす(の声)」に例えられたのも、後世の創作となりましょうか?
では、なぜ鳴く鳥として、「うぐいす」を当てたのでしょう。
「鳴くよ カラスが 平安京」では、ダメでしょうか?
「カラス」には、「七つの子」や「夕焼けこやけ」など、古くから童謡に用いられるように、日本人の心を掴んでいるように思われます。
それに対して「うぐいす」は、「ウグイス嬢」とも言われるごとく、なぜだか、綺麗・煌びやかなイメージがあり、それが、在りし日の京都を彷彿させるものがあるからでしょうか。
奈良が、「なんと立派な」ですから。
そういえば昔、「カラスの勝手でしょ」と言うのがありましたね。
「うぐいす」にするか、「カラス」にするか。
はたまた、「泣くよ赤ちゃん」にするか・・・後世の人間の勝手であります。勝手と言えば、晩夏から初秋にかけて鳴く蝉がいます。
あれは、まさしくその鳴き声を和音にして名付けたのだそうです。
大学生のころ、毎日鳴き声が聞こえてくるあの蝉について、友人に、「なんであの蝉、『ツクツクボウシ』と言うんだ?」と尋ねたところ、彼は怪訝な顔をして、
「だってお前、あの蝉の鳴き声やってみろよ」
と言ったのです。
私が、「お〜しんつくつく、お〜しんつくつく」と言ってやりましたら、
彼は、「??」と、さらに怪訝な顔をして、会話が続かなくなったことがありました。
その後、調べてみましたら、「ツクツクボウシ」を、「お〜しんつくつく」と呼ぶ説があることを知りました。
これは、千年昔から、解決できない論争かもしれません。