今日は、霞が関の東京家庭裁判所に出頭しました。
地方出張し、東京都に隣接する県の裁判所には、しょっちゅう行き来しますが、やはり絶対数は、東京地裁,東京家裁が多いのです。
東京都内には、地方裁判所・家庭裁判所が2つあります。
23区と島嶼部を管轄するのが、東京地方・家庭裁判所で、霞が関にあります。
23区外,つまり、三多摩地域を管轄するのが、東京地方・家庭裁判所立川支部です。
東京で弁護士をしておりますと、東京地方裁判所立川支部に行くときは、『立川』と言いますが、東京地方裁判所に行くときは、『東京』とは言いません。
「霞が関」もしくは、「本庁」と言う例です。
これは、東京に事務所がある者のクセのようなものだと思っています。
ですから、東京以外の弁護士が、東京地方裁判所に行くときには、『東京』と言われるのであって、『霞が関』とは言われないのではないかと思います。
ある範囲の中でのみ通用する言語や決まりは、けっこうあるのではないでしょうか?
方言も、これに似ていると思います。
私が、東京を離れて、初めて暮らした福岡市では、「なおす」と言う言葉がありまして、少しは戸惑いました。
「なおす」は、直す、修理するではなくて、「しまう」つまり、片付けると言う意味でした。
もっとも、不器用で、面倒が嫌い、アバウトな人間でしたから、「なおす」は、どちらの意味でも、「あぁ、嫌な言葉だな」の思いに変わりがなく、大勢に影響ありませんでしたが。
しかし、外で、「霞が関に行く」と言ったら、これを聞いた一般人は、どこに行くと思われるでしょうか?
都内で、「霞が関」で連想するのは官僚,役人、「永田町」で連想するのは政界,政局でしょう。
ところで、霞が関2丁目には、警視庁があります。
警視庁のことを、よく「桜田門」と言いますね。
昔あった必殺仕掛人中村主水さんのことを、「八丁堀」と言っていたのと、なんだか似ています。
街で、「今から桜田門に行く」と聞いたら、ちょっと怖い、ヤバイ感じと思われてしまうのではないでしょうか。
歴史好きの方には、「桜田門」という言葉は、また違った感じに聞こえるかもしれませんが。
ごく内輪の中でのみ通用する言葉は、あまり外で堂々と使わないほうが「安心・安全」かと思われます。
ただ、東京地方裁判所に行くとき、「東京の裁判所に行く」と言って出るのは、なんか変だなと感じる毎日であります。