広島市と札幌市、ここで暮らす方々が相互に観光で行くなら、とても魅力的な都市ですが。

2016年11月2日
広島東洋カープと北海道日本ハムファイターズの対戦となった今年の日本シリーズ、直線距離で1.200キロの広島市と札幌市の間の移動となり、これは過去の日本シリーズで、最長の移動距離になりました。アメリカ大リーグの移動と比較すると、驚くに値しないかもしれませんが、このことにより、様々な問題点が浮かび上がり、また、新たな発見があったとされます。


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この『ひとりごと』でも書きましたが、広島東洋カープ球団は、新千歳空港への移動に、約1.000万円かけてJALと契約し、チャーター機を用意しました。ところがもし、広島市のマツダスタジアムで、雨天順延が発生したら、今回は、移動日を設けるシステムのため、キャンセルと新たな移動方法を考案しなければならなかったのです。そして第1戦、かなりの雨模様でした。試合開始時刻をずらすなどして、ギリギリ開始にこぎつけて、関係者は安堵されたとのことでした。雨の試合で、日本ハムファイターズの二刀流、大谷翔平投手が、本来のピッチングができていないことばかりが報道されていた表舞台でした。

この日本シリーズ、全てがナイターでした。唯一午後6時試合開始の札幌ドームでの第6戦、3時間23分の熱戦となりました。翌日は移動日ですが、マツダスタジアムでの練習があるため、午前9時には、新千歳空港を出る必要があり、選手もたいへんですが、報道陣や関係者は、新千歳広島間の直行便が少ないため、朝早くから東京羽田乗り換え等てんやわんやだったようです。NPBのコミッショナー、札幌ではラーメン1杯、広島ではホテルに戻ったら食事するところはなかったなんて『苦労』を言っていました。こうしてみると、日頃移動に慣れているパリーグのチームは、落ち着いていたかもしれません。


パリーグには、札幌市と福岡市を本拠地とするチームがあります。仙台市を本拠地とするチームも、関東圏以外は、空路での移動でしょう。これはシーズン中しょっちゅうあることでしょう。ところで島東洋カープは、シーズン中は、新幹線での移動だそうです。それには、広島空港の位置が関っていると思います。広島空港、かつては広島湾に面した西広島にありました。それが市街地を離れて、ジャンボ機も滑走できる新空港を建設することになり、現在の三原市に移ったのでした。三原は、新幹線停車駅ですが、空港のある場所は、もともと本郷町でした。平成の大合併で、三原市に組み込まれたのですが、ホント山の中です。空港のすぐ近くまで高速道路が来ていますが、それでも広島市街地から1時間近くかかります。不便なのです。


以前セリーグのある球団が、新潟市での地方試合を行い、広島に移動する際に、新潟空港から福岡空港まで行き、新幹線で広島駅まで来たと言う話が残されています。福岡空港からJR博多駅までは2駅5分ですから、私もベストのやり方だと思います。福岡ソフトバンクホークスは、福岡空港を利用しますから、距離はともかく、移動時間を苦にしないでしょう。セリーグは、全球団が『本州』にあります。しかしいちばん西のチーム、広島東洋カープは、かなり不便な位置にあるがゆえに、日頃利用しない空港を使うことになる点で、スタッフ関係者は、苦労があったと想像されるのです。


広島空港は、私は何回も利用しました。着陸寸前まで、山また山で、山にぶつかると思っていたら、滑走路があったと言う感覚です。広島空港を貶めるつもりは毛頭ありません。空港が市街地にあることの功罪は、つとに指摘されるところです。ある人が言っていたのは、ツアー団体客は、広島空港を利用させるべきであり、それはビジネス客の増加を見込まれないからだと言う理由でした。


いつでもなんでも福岡で申し訳ないのですが、福岡の経済が発展するのは、空港が市街地にあることに、少なくない影響があることは否定できないと言われます。プロ野球界では、おそらく広島東洋カープと北海道日本ハムファイターズの対戦が、いちばん移動に気を使う対戦となるでしょう。たとえば、日本シリーズ基金のようなものを設けておき、両チームや関係者を合わせてチャーター機で移動させる、いわば呉越同舟なんていかがでしょうか?返って落ち着きませんか。ハラハラしながら裏方さんたちは、この日本シリーズを支えていたことを知りました。


ここでも広島東洋カープと北海道日本ハムファイターズの関係者の皆さんに、あっぱれと申し上げたいです。