福岡市博多駅前通り道路陥没事故とその復旧に向けた動向から福本悟のひとりごとです。

2016年11月11日
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11月8日早朝、福岡市博多区の博多駅前二丁目の道路が突然陥没しました。ここは、通称博多駅前通りと言い、JR博多駅から、祇園町キャナルシティ博多方面に真っ直ぐ伸びている計5車線の道で、周囲は多くのビルに囲まれます。

 

会社事業所、ホテル、各種店舗が並び、日中は、相当な人通りがある地域です。そこが当初深さ約15m、幅約20m、長さ約10mの大穴ができたのですから驚きです。 午前5時15分ころに最初に二ヶ所陥没し、徐々に崩落範囲が広がって、午前7時30分ころには、二ヶ所の穴が一つに繋がり、さらに土砂等が崩れて、水分を含んだ大穴となったのでした。この映像を見た人たちの中には、これが別の国のことかと思ったなんて驚きを表現していました。

 

早朝の時間帯とは言え、この事故に巻き込まれた死傷者がいないことは奇跡に近いことだと、初期の安全管理に賞賛の声が出てもいました。この場所では、福岡市営地下鉄七隈線の伸長工事が行われていて、工事関係者から、地下水の漏出等で危険な状態にあることがわかってすぐに警察に通報するとともに、現場周辺を工事関係者が自主的に立ち入り禁止の措置にしていたそうです。その5分後に、陥没が起きたとのことであります。 まず人的な被害がなかったことは、危機管理が徹底されていたわけで、日頃の訓練等の成果でしょう。

 

この事故が発生した直後に、高島宗一郎福岡市長は、直ぐFacebook?tweet?で市民に知らせ、その後も随時現場の状態を発信されました。

 

熊本地震のときも、発生直後から市民に情報を発信し、また、被災者救援活動の状況も知らせたそうです。そして本件陥没事故については、直ぐに福岡市長として、福岡市に責任があることを認めて、謝罪されたのです。それから先は、素早く復旧工事に取り組み、その仕方や完成時期等についても、各部署の専門チームからの報告を交えて、市民に知らせております。 コレって、築地市場豊洲移転問題を発生させた東京都とは、かなり違う対応と進行です。新知事になって、ひとまず豊洲移転は延期され、地下水土壌問題など改めて検討検証しているようですが、結局数名の東京都の幹部を処分しただけで、誰が、いつ、何のためにこんなことしたのか、今後この市場はどうなるのか、いつ解決するのか、どんな市場になるのかなど、全く先が予想できない有様です。

 

新知事の人気取りの一時的パフォーマンスで終わらないよう願いたいものです。さて福岡市、補償問題はこれからですが、まず謝罪し、市民の安全確保と不便解消を最優先とし、復旧に向けた経過を、その都度市民に報告するのは、市民から信頼を得られるでしょう。 高島宗一郎市長、九州朝日放送のアナウンサー時代から、『高島くん』と慕われていて、良し悪しは別として、高島式政策を次々に出してきます。このような事故が起こると、復旧作業や補償問題が出る都度、市民の税金が……を言い訳にして、なかなか動こうとしない自治体が多い中、現場に飛び込んで、『オール福岡』を求める姿勢は、概ね好感を持たれるでしょう。

 

陥没現場では、土の上に水が溢れていたわけですが、セメントを含んだ土砂を注入する作業を行って、1日半が経過したころには、ほぼ埋め込みが完了、ライフラインの復旧作業が可能な高さまで埋め戻し、土日を挟んでほぼライフラインは復旧するとのことです。さらに道路も週明けには完全通行が可能になり、10日時点での避難勧告対象建物は、3軒になったと報じられています。この『ひとりごと』がアップされるころには、『全面復旧』となっているでしょう。 『オール福岡』の呼びかけがありました。今回は、急ぎ特殊なコンクリート注入を行う必要もあって、ミキサー車等建設、特にセメント業者の手配協力は不可欠でした。ある業者曰く、他の仕事は断って、こっちに駆けつけたと。

 

もちろん業者にとっては、お客様はすべて大切なはずです。今回は、工事を発注した客側も、この博多駅前通り大陥没からの復旧を最優先することを認めるまさにオール福岡なのでしょう。高島市長の後見人とされる県内のセメント業界のドン?はおられます。こちらの影響があったのかどうか知りませんが、これも政治力としておきましょう。そして10日夜、博多駅前に、冬の風物詩イルミネーションが点灯して、『光の街・博多』が始まりました。

 

『雨ニモマケズ、陥没事故ニモマケズ、博多は元気に輝いています!』とのこと。明るくなると良いですね。東京からとても気になりつつも、福岡博多がひとつになって復旧していく姿を遠くから見て、素晴らしいとら思いました。