『震災でたくさん死んだから、辛くても生きていく』と、いじめによる自殺を思い留まった小学校から学ぶいのちの大切。

2016年11月17日
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福島第一原発事故で、福島県から横浜市に自主避難した現在中学校1年生の男子生徒が、転入した小学校でいじめを受けて不登校となった問題で、この生徒の代理人弁護士が公表したこの生徒の手記が、反響を呼んでいます。小学校2年よりいじめを受けていた生徒が、6年生になった昨年7月に書かれたものです。

発表した弁護士も、涙を流しておりました。

生徒一家は、東日本大地震後の2011年夏に福島県から横浜市に避難、生徒は入学した市立小学校で、名前に『菌』をつけられたのですが、それは放射能でバイキンができたからだとされ、福島の人はいじめれると思い、辛かったと述懐しています。すぐにいじめが始まり、何も抵抗できなかった、やがてお金を要求されるようになった、『賠償金あるだろう!』と言われ、抵抗できず、悔しかったと言います。

親に内緒で1回50.000円から100.000円くらい持ち出し、トータル1.500.000円にも上る、とても悔しかったけれど、抵抗するといじめが始まるので、何もできず怖くてしょうがなかったと。そして涙を誘うのはこの部分でしょう。

『今まで何度も死のうと思った。でも、震災でいっぱい死んだから、辛いけど僕は生きると決めた』。

この生徒、学校にいろんな話をしてきたけれど、学校は信用してくれなかった、何回も先生に言おうとすると、無視されてたと述べました。在学中の小学校でも、同級生の保護者から、この生徒と金品の授受があると学校に通報があり、生徒の保護者からも、いじめを受けている内容の申し出があったものの、生徒は学校・先生が信用してくれない、無視していると思っています。生徒は不登校になり、現在は、フリースクールに通っているとのこと、いじめで亡くなる子どもがいることから、いじめが無くなって欲しい、多くの子どもたちに、少しでも励みになればとの思いから、生徒自身が公表を決めたのだそうです。

この生徒が横浜市に来たのは5年前で、その直後からいじめが起きています。生徒は信じてもらえなかった、無視されたと学校側の対応を述べています。この手記が発表された途端?教育委員会は調査把握ができていないことを詫びましたが、ハナから調査や対処などやる気ないですね。むしろ知らぬ気づかぬふりをしていたと言われても仕方ないでしょう。学校側は、お金は生徒が自分で渡したと述べたので、いじめではないと判断したなんて言っていました。

生徒がお金をーーしかも万札をーー渡すのは、いじめられたからでしょう。小学生が小学生に『贈与』したので問題なしと言うのですかね。強盗と恐喝の違いってわからないんですかね。犯行を抑圧されてた取られるのが強盗、脅されてやむなく自分の意思で交付するのが恐喝、不本意な意思でも、『渡した』から学校としては取り上げるに足りないと判断したそうです。

コレって、教育者の集団ですか?

バイキンとか賠償金なんてことを子どもたちが言うことについつも、学校は何も感じないんですかね。東日本大震災で苦しむ人たち、その支援の必要性や実態は、学校で教えているでしょう。小学生が賠償金なんて言い出すのは、家庭や学校で、正しく教育されていないからです。いじめの有無だけが問題ではないですね。事は人としての優しさ、助け合うことをしっかり子どもたちに理解させる必要性がありました。

大津市中2いじめ自殺事件の発覚が契機に、与野党の議員立法で成立した『いじめ防止対策推進法』は、2013年9月より遡行されました。『他の児童・生徒が行う心理的・物理的な影響を与える行為』により、『対象生徒が、心身の苦痛を感じているもの』といじめを定義しました。そして不登校を余儀なくされているケース等は、明らかに学校は、事実関係の調査をし、当該生徒保護者に対して情報を提供し、自治体の長に対する通報等相当な措置をすることが求めれています。本件は。どー考えても、この法律に言う『いじめ』であり、被害も発生していて、速やかに相当な措置を取らなければならなかったと言えます。全くやる気ないですね。

どうしてこうなのか。全ての先生たちがそうだとは、思いたくありません。

先生たちは、他にやるべきこと、余計な?ことが多すぎて、できればいじめ対応等したくない、する時間がない、何とかしなくて済むよう願いたいの思いがあるのだと私は考えます。志あって子どもたちの将来のために教育者の道を選んだのです。それゃ子どもは大切で可愛いはずです。しかし、この『現場』にいるためには、先生たちにも守らなければならない決まりがあります。それは平たく言えば点数稼ぎ、ヒラメになること、つまり管理職のおぼえめでたく、管理職は、自治体の長のおぼえめでたくを目指します。学校で『不祥事』があったこと、と言うよりも、それが公にされることを恐れます。
そして教育委員会です。どこの自治体でも、顔ぶれ見ればわかります。自治体の長の肝いりの人がなります。結論は、自治体に不利益とならぬよう、自治体が批判に晒されないようにすることが目的になっているのです。子どもの教育のためではないですね。もう現役をリタイアした人が、名誉職的やっているのであり、熱血漢なんていませんね。結論は決まっています。

いじめや非行は、早期発見が大事だと言われます。しかし、早期にシグナルが出たとしても、『発見』したことにしないよう力がかかるとどうでしょう。いじめによる悲劇が起きるたびに、なんでわからなかったのか、なんで対応しなかったのかの声が出ます。これを知ろうとしない、露わにならないようにする判断方向性があるのです。むしろいじめの発生件数が多くて、すぐに調査等を開始したなんて自治体を表彰でもしたら、どんどん安心していじめについて堂々と、何に阿ることなく調査し対応することに向かうのではと思います。先生たちも、生活がかかっています。個人の資質の問題ではなく、システムそのものを変えていべきです。

いじめ防止対策推進法に沿った対応をして、いじめはあったがいじめを受けた生徒も、またいじめをした生徒も、ともに共存共生できるような

『修復司法』ならぬ『修復学校』ができれば素晴らしいと思います。


子どもは国の宝、可塑性に富むこの時期にこそ、厚い保護をしなければならないのです。それにしても、このいじめられた生徒、本当に偉い、よく踏み留まった。『震災でたくさん死んだから、辛いけど生きていく』。いのちの大切さ、こんな形で教えられるのでした。