『雷鳥』の英訳は、『サンダーバード』ではありません。

2016年10月11日
テーマ 
今年は、10月になっても雨が多い東京です。



一般的には関東は、10月、11月は晴れた日が多い印象で、『特異日』と言われる11月3日は、まず雨は降りません。この時期北海道では雪虫が飛来して、市街地でも初雪が観測されます。そして雪に変わることころは、霙混じりの雨が降ります。日本海側の北陸地方でも、この時期雨が降ります。特に雷を伴って激しく降ることがありますね。地元では、これを『鰤起こし』と呼ばわれると聞いたことがあります。

雷は嫌ですね。

数年前の11月、小松空港を離陸して上昇中、突然大きな音がして、搭乗機が急降下したことがありました。しばらくしてキャビンアテンダントさんから、落雷を受けたと説明がありました。例によって、航空機の安全には全く支障がないことを、機長より確認いたしましたので、飛行を続けますとの付加されました。


もっとも、機内に聞こえた女性の叫び声の方が大きかったですが。


今日は、数年ぶりに小松空港を利用しました。小松空港は、正式には『小松飛行場』と言われ、航空自衛隊小松基地と民間航空が滑走路を共有する防衛省が管理する飛行場で、管制は、自衛隊が担当しています。



石川県小松市にあるので、小松空港と呼ばれていますが、航空会社時刻表等では、『小松(金沢・福井)と記載されることがあります。小松飛行場は、太平洋戦争下に、旧海軍が攻撃隊を要する滑走路を開設するために建設し、終戦後の昭和20年11月、大蔵省を経て米軍に接収されました。



その後サンフランシスコ講和条約の発効により、小松飛行場が開港されたのです。北陸への玄関口として重宝されていたこの空港も、北陸新幹線の開通により利用客が減り、東京便は減便になっているようです。


でも、羽田から小松まではかなり低空で飛行するので、好天の日は富士山や北アルプス、そして日本海等が眼下に見えて、航空ファンには人気の空路だと聞きます。


今回は、鰤起こし、すなわち、雷には、当たりませんでした。ただ、数日前の台風18号が近くを通過したときはかなりの風雨が降って、一部の便が欠航になったようです。北陸地方と雷と言うと、航空機だけではありません。


富山、長野、岐阜の山岳地帯を住処とする天然記念物に指定されているのが、ニホンライチョウです。漢字で書くと『雷鳥』です。かみなりの鳥!と聞こえます。雷は、サンダー、鳥は、バードです。『雷鳥』を、サンダーバードと同じと考えて当然かと思います。

昔JRの特急に、『雷鳥』がありました。大阪から富山まで、湖西線を通って運行されていました。それが京都を出ると、福井、金沢、高岡、富山のみ停車する『スーパー雷鳥』が登場しました。単に早いと言う意味だと思いますが、その後『雷鳥』は無くなり、JR西日本の『サンダーバード』になっています。北陸新幹線の開通により、現在は、大阪と金沢の間で運行されているのです。


ニホンライチョウは、富山県に生息しているので、確かに『雷鳥』は、似合わなくなったのかもしれません。

ところで、『サンダーバード』は、『雷鳥』の格上げ、要するに雷と鳥の英語版かと思われる向きも多いかと。実は違うのです。昔何かの本で知ったのですが、『サンダーバード』の名付け親は、当時のJR西日本の社長ですが、『サンダーバード』とは、アメリカ先住民族に伝えらる神話が、ルーツなのだそうです。


雷光と雨を起こす巨大なワシに似た鳥が居て、これが颯爽と走るように飛び立つ様子から『サンダーバード』は生まれました。先にも申しましたが、『雷鳥』の雷はサンダー、鳥はバードなので、しばしば特急『雷鳥』の語呂合わせと思われると聞いています。昔鉄道ファンを自称する私ですが、最初は、『スーパー雷鳥』イコール『サンダーバード』だと思っていたのです。ちなみに、雷鳥の英訳は、Grouseだそうです。

IMG_1332 IMG_1363
今日は、金沢駅で、『サンダーバード』を見ました。


今、日本海を横目に小松空港に向かうところですが、とても天気が良いです。今日は飛行中、雷には当たらないはずです。



神話の世界のサンダーバード、やはり雷と関係すると知っても、なんかロマンチックな感じがします。でも、なんでニホンライチョウは、雷の鳥と書くのでしょう。以前立山で見ましたが、おとなしい鳥でした。この時期小松空港を利用すると、なぜか雷と結びつけてしまうのでした。