新潟県知事選挙の野党連合に乗り遅れた民進党に喝を!

2016年10月20日
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東日本大地震の折、ヘリコプターで被災地を飛行した当時の内閣総理大臣を、その内閣が対応した福島第1原発の事故処理を巡って、当時の内閣総理大臣菅直人氏、当時の政権与党民主党を徹底的に批判したのは誰あろう、安倍晋三自民党総裁です。


当時から可笑しいと思っていました。だって原発を造ったのは?原発推進団体組織から多くの支援を受けているのは?そして豈図らんや、政権が交代したら、『福島第1原発事故収束宣言』をし、その後全国に存在する原発を再稼働するよう舵を切ったのは誰?

これに似た発言が、最近国会でありました。安倍内閣の防衛大臣が、かつて自民党が野党時代、子ども手当を止めて軍事費を増やせ!核武装を精神論に留まらずに検討すべき!等発言したところ、『自民党政権になって、日米安保体制が強固になったから、その必要は無くなった』と答弁したことです。


野党のときはダメでも、自分たちが与党に戻ったら、なんでも上手くいったことになるようです。民進党代表蓮舫氏は、『気持ちの良いくらいの変節』って評しました。もっともこの大臣もかつて受験した司法試験、『内閣は、集団的自衛権行使は憲法上認めれない』が正解でしたが、この内閣になって『正解』も変わってしまうのでしょうか。これは『見事なまでの変節?』。

蓮舫代表、あなたに言われたくないって思っている人いると思いますよ。先に投票が行われた新潟県知事選挙、民進党どのように対応しましたか?争点は明確でした。柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な泉田知事を承継するかどうか、民進党を離党した脱原発派の候補が、自民党公明党が推薦する候補に勝ちました。この候補、民進党から推薦は受けられず、共産党、生活の党(自由党)、社民党の推薦を受けました。


先の参議院議員選挙の折、各地で起きた『野党統一候補』です。しかし民進党は、この選挙、『自主投票』にしたのです。

その理由は、民進党の支持母体である連合新潟が、原発推進候補を事実上支持して、自主投票を決めたので、民進党として推薦できないと言うことでした。だから民進党って、信頼されないのでしょうね。全国の世論調査でも、50%以上の国民が、原発再稼働に反対しており、原発賛成は25%程度です。この新潟県知事選挙、投票の際何を重視したかに関して、報道機関の出口調査の結果、いずれも『原発』であるとの結果が出ています。


実際民進党支持層の75%ほどが、野党統一候補に投票していました。民進党幹部は、風を見る能力がないですね。

この選挙の終盤になって、蓮舫代表が、現地入りして野党統一候補を応援しました。これは、もしかしたら勝つのではないかと思えて、勝ち馬に乗ったとしか思えません。今後の野党連合、また、政局を睨んで、民進党の影響力の低下を恐れたと受け取られて仕方ないと思います。何が、『元仲間』ですか。

たとえ支持母体の意向とは相反しても、政権を目指す政党であれば、国民の声に耳を傾けるべきです。公務員批判を大上段に振りかざすある政党から、バカにされるどころか、与党も一緒になって、これら組織に頼るところを批判されるのです。


実際件の組織に属した人でも、あの得票率からすると、脱原発候補にほとんど投票したと思われます。民進党は乗り遅れです。にも関わらず、野党統一候補の勝利を我が事のように言うのは、強い違和感があります。

小選挙区制のもと、巨大与党に立ち向かうのは、野党連合しかありません。また、選挙では、わかりやすい争点に選挙民が惹かれることもまた、郵政選挙以来はっきりしています。さらに川内原発を抱える鹿児島県の知事選、先の参議院議員選挙での新潟県もそうですが、青森県、岩手県、宮城県、福島県の結果を見れば、東日本大震災の復興が待たれる地域や、原発がある地域の住民の意思を汲み取ることはできないのかと考えます。



それを昔ながらの組織の意向によるとは情けない。党内の原発賛成派は、小選挙区制のもと、自民党に居ても公認されないから、民進党に居るとも言われかねないでしょう。


原発YESNoは、わかりやすい構図です。都市部の住民は、地方の原発を含む電力により、都会の生活が確保されているのに、なんとも思いやりがないです。数年前の都知事選で、原発反対の元首相経験者らが、自民党が応援する候補者に敗れました。争点をわかりやすく、劇場型の選挙を行うことで知られる人をもってしても、都会では、原発は争点化しなかったのです。



都会では、アベノミクスってものが延々と『争点』だとされ、選挙民も、民進党もそんな風に捉えているのでしょうか。アベノミクスって、わかりやすいですかね。民進党、与党を打倒するなんて言うならば、自党がまず脱皮しなければならないでしょう。蓮舫代表、しっかりやれ!