現在は秘境、かつては難所、栄枯盛衰を見てきた伊那路から。

2016年9月15日
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今日は、長野県飯田市に行きました。長野県のいちばん南に位置する市で人口10万人超、県内では長野市、松本市、上田市に次ぐ人口となっています。

まさしく信州の南、『信南』と言われる地域で、中央高地式気候と太平洋側気候を併せ持つ長野県内では、比較的温暖な地域とされています。南アルプスと中央アルプス囲まれたなだらかな地形で、夏の昼間、猛暑でも25℃以上の熱帯夜にはならない反面、2年前には、観測記録を更新したこともあり、最近りんごの産地として力を入れているようです。

飯田市と言えば、武田信玄を思い出す人は、相当な歴史通か信玄公の信者でしょう。現在の飯田市は、戦国時代武田信玄が攻略して、24将にも加えられる秋山信友を置いたところ、京へと進んだ三方ヶ原の戦いで徳川家康を蹴散らし、織田信長を震撼させたところで病に倒れ、甲斐の国に戻る途中、『3年間は死を伏せろ』との遺言を残して、飯田市の隣、現在の下伊那郡阿智町で、武田信玄は亡くなったとされるのです。この地で荼毘に付され、遺骸は、近くの長岳寺に埋葬されたのではないかと言われております。

現在放映中のNHK大河ドラマ『真田丸』では、真田幸村こと真田信繁の父真田昌幸は、武田信玄を崇敬し、信玄公の領地を我が物にする強い意思が伝わります。信玄死後の武田家の衰退を招いた長篠の合戦以後、この信南地域は、徐々に武田家の勢力が失われ、やがて木曽義昌の裏切り、武田信廉の逃走により、そして穴山梅雪、小山田信茂らの離反により、武田勝頼は、天目山の露と消えるのでした。その意味で、この地域は、武田家にとっては、栄枯盛衰の象徴の地でもあります。

今日は、飯田市に行くにあたり、武田家を滅ぼした織田信長を生んだ尾張名古屋から入り、帰りは天竜川を横目しながら、信南から三河へ、そして長篠を通って在りし日の武田家に想いを馳せることになりました。余計なことですが、武田家の家紋とされる四つ割菱は、『福本家』も使用しているのです。歳を重ねる毎に、『信玄公』が気になって仕方ない福本悟です。
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話が脱線しました。飯田市は、今、あるところから、注目を浴びています。リニア中央新幹線が開通すると、飯田市に新駅が開業するのです。リニア中央新幹線の是非は別として、開業する新幹線の駅は、各県ひとつとされていたので、県内各地で誘致の争いが起きました。それは、北陸新幹線敦賀新大阪間の路線決定とも似ています。結局、品川から名古屋への直線距離上にある飯田市に、新駅が出来ることに決まりました。


要するに、これまで東京からも名古屋からも、長野市からも行き来に時間を要した信南の中心飯田市に、東京品川から40分、名古屋市から20分で到着できるのです。それで、東京と名古屋の通勤圏になり、またセカンドハウスや老後の住居あるいは別荘を求めて、土地に纏わる取引が盛んになることが予想されます。首都圏では、神奈川県相模原市の橋本周辺が、同じ理由で、地価高騰が予想されております。

最近見直しされている田中角栄元内閣総理大臣は、日本列島改造論を立ち上げました。日本各地を結ぶ高速道路ができ、族議員なんて用語も生まれましたが、なんとかミクスのように、田中列島改造論なんて言わないところは、謙虚な庶民派だと思います。この高速道路の開通により、都市と地方の行き来が容易になったことは否定できません。


今度は、政府与党により、十分なまでに税金の優遇を受けたJR東海によるリニア中央新幹線です。でも、過疎地と都市部を結ぶと言う意味よりも、より早く、より便利にが優先され、サラリーマンには、過酷な労働が強いられるのではないかと心配です。飯田市等が活性化するのは良いですが。

飯田市からの帰りは、豊橋駅まで、飯田線特急『ワイドビュー伊那路』を利用しています。ここは天竜川を横目に、山を縫うように鉄道が走っており、トンネルとカーブが多いです。IMG_1145



最近流行りの『秘境駅ツアー』として人気があるそうです。飯田駅から豊橋駅まで、『特急』で、2時間30分かかります。昔の人、戦国時代の武田武士は、こんなところを踏破したのだと思うと驚きしかありません。そうまでして、戦いを終え、天下統一しなければならなかった時代の厳しさを、難所続きの飯田線の車中から、垣間見た気がしました。電車は、『本長篠駅』に到達しました。

東京駅から愛知県、岐阜県を通って長野県に向かう車中でのひとりごとです。

2016年9月14日
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ここ立て続けに、岐阜県内で、『自然の生き物』により、人間が大きな影響を受けたニュースが報じられました。ひとつは、飛騨市での『スズメバチ』、ひとつは、各務原市での『羽虫』騒動です。スズメバチは、人間を襲い、羽虫はカゲロウと見られますが、人間が通行する道路を、通行止めにしました。

ひとつめ、『スズメバチ騒動』は、日曜日の昼ころ、飛騨市内で行われていたマラソン大会で、参加したマラソンランナー115人が、ある場所で、スズメバチに刺されたというものです。コース近くの橋の下に、50センチくらいのキイロスズメバチの巣があり、このあたりをランナーが一斉に通過すると、足音や振動でハチを刺激し、約1.000匹いたであろうハチに攻撃されたのだろうとの専門家の見方です。スズメバチは、黒い物に攻撃を加える習性があるとかで、ランナーの皆さんが刺された箇所は、頭でした。

私の場合、頭髪のほうは、もう悲しい状況ですが、ほとんど黒もしくは濃紺のスーツを着用しているので、スズメバチには要注意です。必死に走っているマラソンランナーさん、驚いたことでしょう。大事なければ良いのですが。

もうひとつ、『羽虫騒動』は、愛知県との県境木曽川に架かる愛岐大橋に、夜8時40分ころ、大量に羽虫が『積もっていた』と報告された事件です。多いところで1センチくらい道路に積もっていて、スリップの危険があるため、岐阜県警は、3時間くらい通行止めとしたのでした。きっかけは、この橋の上で車複数が絡む追突事故が発生し、視界不良の原因に行き当たったのでした。羽虫が大量発生した理由は明らかにされておりませんが、カゲロウやユスリカ等は、一般的に水辺や湿地帯にいるので、河川敷や橋の上は、『危険地帯』と言えましょう。私は、蚊も含めて虫は嫌いなので、もう考えたくありません。

今私は、名古屋市から高速バスで岐阜県内を通過しています。山また山が続いていて、また、ずっと続く雨の中、自然との厳しい闘いがあるのかなと思ってしまいます。でも、蜂の巣は、私の家にもあるのです。それほど多くのハチが入っているとは思えませんが、何回駆除してもまた造られます。また、羽虫はもう少しすると、北海道では、『雪虫』として冬の到来を知らせます。

カゲロウは、小説やドラマにも出て来ますし、雪虫って聞くと、なんかロマンチックに聞こえます。自然界の生き物でも、出てくる場所や場面により、利用されたり好まれたり、少し変ですね。

自然界の生き物が大量発生すると、決まって地震等の天変地異の可能性が言われます。古い日本の昔話では、ナマズが動くと地震になると言い伝えられました。リュウグウノツカイと言う深海魚、これは超不味いのだそうですが、コレが姿を表すと、偶然だと思いますが、地震が起きました。でも、雪虫が飛ぶと初雪になると言うのと全く同じ、こじつけだと思います。

もし、自然界の生き物の大量発生を、天災への警鐘とされるなら、このところ日本列島を取り巻いてウヨウヨしている台風との関連は、あるのでしょうか。自然界の生き物も、このところ続く日本の天候不順で、おかしくなったのかもしれません。それにしてもこのところ日本列島、雨が多いと思われませんか?初夏のころ、首都圏では、夏の水不足がら取り沙汰されていましたが、真夏に入って以降、聞かれなくなりましたね。

今、高速バスは、長いトンネルに入りました。

長野県入ったようです。長野県に行くのに、新宿駅、東京駅を使わないのは、長野県、日本列島は広いなと思えます。ここもまた山また山です。昔の人は、歩いていたのです。そのとき、スズメバチとか羽虫はいたでしょうか?そろそろ今日の目的地です。

 

オリンピックと言えば、東海道新幹線を思い出す世代です。

2016年9月13日
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2度目の東京オリンピックが2020年に開催されます。住んでいる都市で、オリンピック開催に2回も当たるのはラッキーと言えましょう。

 

もっとも、1964年のオリンピックは、小学校1年生ときであり、ほとんど記憶、印象はありません。むしろこのときの東京オリンピックが、戦後復興の集大成、日本の高度経済成長のシンボルだったと学校で習ったことが思い出されます。 東京オリンピック、高度経済成長のシンボルとして、真っ先に挙げられるのは、東海道新幹線ではないでしょうか。

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夢の超特急とも言われた新幹線ひかり号、子どもこころにワクワクした思い出かあります。当時は、都内大田区に住んでおりましたが、最寄駅の下に新幹線の線路があり、小学校を出たところに橋があって、そこから眺める富士山と夕焼け、その中を疾走する新幹線は、とても絵になる風景でした。小学校高学年のとき、『郷土研究クラブ』と言うサークルの長をしており、地域の歴史と新しい『我が街の新幹線』を研究するのは、夢がありました。あのころを思い出す2度目の東京オリンピックです。

 

今日は、東京駅から東海道新幹線に乗車しています。

 

今年は、新幹線に乗車する機会が多いです。新幹線に乗ると、必ず⚪️ー⚪️になるので、大阪以遠の行き来は航空機にしております。今日は日本列島ほとんど雨模様、停電の影響で遅れが発生なんて車内で案内がありました。実際、乗車している列車も、雨が激しくなった静岡県内で、途中停車しました。外は霞んでいて、車窓からの景色を眺める楽しみもありません。富士山どころではありません。 子どものころ乗車した新幹線、司法修習生として赴任した福岡市との行き来で利用した新幹線、いくつか思い出があります。午前中に東京を出るときは、進行方向左側が太陽となります。

また、富士山は、左側からは、ほとんど目にすることはできません。私が思い出深いのは、進行方向右手で、静岡駅を出てしばらくしたころ見えるお茶の葉を集めて、『お茶』と書いてある茶畑です。グリーンが綺麗です。また、なぜか浜名湖では、小舟で漁をしている姿が見られます。何を獲っているのでしょうか。冬は、関ヶ原付近のみ降雪になります。東山トンネルを抜けて見える京都タワーも、私の中での『これぞ京都』です。新大阪駅に停車するとき、よく大阪伊丹空港へ向けて降下する航空機が見えました。 現在東海道新幹線はJR東海が、山陽新幹線はJR西日本が担当しています。博多からは九州新幹線です。車両は変わらないですが、乗務員は、途中で変わります。今は不思議ではありませんが、国鉄分割民営化直後は、やはり会社が変わったのだなと感じました。それと変わったことと言えば、食堂車ビュフェが無くなったことです。

 

昔は、車内販売もそれはうるさいくらい頻繁に通路を通りました。最近では、『車内販売はありません』と放送された経験をしました。 現在東海道新幹線は、車内にコンセントが設置されていて、パソコンを操作するサラリーマンの方、があちらこちらにおられます。まあ、そうでなくて、スマホをいじる方の方が多い感じですが。慣れない私は先日、差したままのコンセント、そのままにしていて、車内に忘れてしまったことがあります。今日は、忘れないぞ!でも、今も昔も変わらないところもあります。

 

トイレは、奇数号車の後方ですね。あと、指定席と自由席があります。この点、JR東日本の『はやぶさ』や『かがやき』は、全車指定席です。 それにしても、途中ひどい雨でした。新幹線は、やがて名古屋駅に到着します。少し雨が収まりつつあるようです。名古屋は、JR東海の本社があり、建設中のリニア中央新幹線の始発駅でもあります。なんでも高速化になり、これでは出張族は、軽く『行ってこい!』とハードな出張が続くでしょう。

 

東京オリンピックを前に、老朽化した高速道路のメンテナンスや改修工事こそ急務と思うのですが、夢の超特急を超える列車を運行させる意味あるんですかね。

 

ただ、これまで交通に難があった都市は、リニア中央新幹線の開通で良い効果が出るでしょう。政策減税を得られたJR東海、今度は、リニアで開発費が出されますが、これによりリニア中央新幹線が停車するようになれば、『地方創生』ってことになるのでしょう⁉︎それとも⚪️⚪️ミクスの効果⁉︎リニア中央新幹線の開通は、東京オリンピックには、間に合わないようですが。

 

日本人にとって、オリンピックと新幹線は、対を成すでしょう。なんとなく懐かしい新幹線に親しみを覚えてこの『ひとりごと』を書いております。

 

NHK大河ドラマ『真田丸』、見事なまでにしてやられた関ヶ原の戦いの描き方でした。

2016年9月12日
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流石!と言うか、???で度肝を抜かれた向きもあるのではないでしょうか?

 

『三谷ワールド』の凄さです。NHK大河ドラマ『真田丸』9月11日の放送は、第2次上田合戦がテーマでありました。

 

前回の『犬伏の別れ』の余韻も残って、『ふたつの合戦』に期待が持たれたと思います。それが上田合戦は兎も角、天下分け目の関ヶ原は、なんと放送時間は50秒でありました。

 

その予想はありました。

戦国物でひとつのクライマックスとなっている『本能寺の変』は、ほとんどその場面はありませんでした。もともと真田家の目線で描くと言われていたものですが、単に視聴率を稼ぐ目的ならば、本能寺の変や関ヶ原の戦いをやらない選択はないように思います。

 

でも、ひとつは自信、ひとつは遊び心?とお楽しみでしょうか、犬伏の別れで最高潮に盛り上がった真田一族、その翌週が関ヶ原の戦いともなれば、多くの視聴者が期待するでしょう。

 

それをほとんど無しにして、しかも真田昌幸ですら予想し得なかった短時間の勝敗、そしてその結果を宴たけなわの真田家に、佐助の報告と言うかたちで終わらせるシナリオ、凄いです。

 

視聴者の声は概ね高評価です。やはり三谷ワールドにしてやられたの感想が強いですが、真田家の視線と言う意図からすると、むしろこのような描き方になるのは当然ではないかとの声も聞かれます。

 

戦国物と言うと、合戦の場面ばかりイメージされますが、その合戦に進んだ経緯や、関係者のその後も重要です。今回の『真田丸』関ヶ原編は、今後の真田家、特に幸村こと真田信繁の今後に期待を持たせる内容でありました。おそらく真田昌幸の時代は終わり、全てを悟った彼は、悟り受け入れ、腑抜けになっていくのではと予想しました。

そして解き放たれたごとく、真田信繁の生き様が、全面に堂々と、憚ることなく現れるのではないでしょうか。でも、三谷幸喜氏です。やはり、してやられる視聴者が続出するような気もいたします。

 

1月の放送以来、高視聴率を維持しているのは、真田丸と言う題名のとおり、真田一族の結束と生き様の視点で描かれ、史実と全く相反するような場面はなく、毎回主人公の位置を占める人物が現れ、ちょっとした笑いもあり、また、あっと言わせるとまではいかなくても、手の込んだ仕掛けが随所にあり、続けて見たくなるのだと思います。

 

真田丸の視点からだと、11日の第2次上田合戦と関ヶ原の戦いは、徳川秀忠と、その後の時代に、その子正純と徳川秀忠との間で軋轢が起きた近藤正臣さん演じる本多正信が、裏主役だったかも知れません。

 

それと、『沼田城』を巡るやり取りもよかったですね。真田信幸の正室小松殿が、敵となった真田昌幸らの入城を拒む場面は史実でもあります。また、元沼田城は、真田昌幸の叔父矢沢頼綱の居城でしたが、その子で、真田信繁とは兄弟のような契りで結びついた矢沢頼康が、史実では真田信幸、後の真田信之の家臣となる場面が、涙ながらに映し出されておりました。お見事‼︎

 

関ヶ原の後始末としては、石田三成、小西行長、安国寺恵瓊の処刑の後、史実では、毛利や上杉等の仕置、宇喜多秀家の悲劇、小早川秀秋の病死と続くのですが、上田を所領とし、後に松代藩主となる真田信之、高野山九度山での蟄居生活が始まる真田昌幸、信繁親子の生き様が、とても気になり、どんな描かれ方をするのか、ドキドキですね。

 

ようやく真田信繁の本領発揮ですが、ここにもいくつか仕掛けがらあるのでしょうね。 長野県、山梨県は、海に面していない点で、魚大好きな私は、あまり関心を持たなかった地域でした。でも、海がないがゆえに、武田信玄も真田昌幸も、様々な工夫をして戦い、また生活し、領民に慕われていたと気づきました。

岩櫃城や砥石城、そして上田の地形は、まさにその場所で生きている人々にとっては、使い方次第では、大きな味方になるのでした。

 

先日『真田丸』のシーンにも使われている上田城址に行ってきました。今度は、まだ放映されていない高野山九度山にも行ってみたいと思います。聞くところによると、こちらは、とても厳しい地形で、物見遊山は不可とのことですが。歴史と地理が好きになる『真田丸』でもあります。三谷ワールドは、続くようです。

題名シーズン真っ只中ですが、北海道では、冬季の雪対策も必要な時期になってしまいます。

2016年9月9日
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現在台風14号が発生し、台湾方向に進んでいます。

そのところ毎週台風が発生し、特に北海道に複数台風が上陸するなど、気象関係者ならずとも、警戒が続く日々です。台風が発生し、上陸する都度、通常ありえないコースだとか、台風から離れた場所での予想できない風雨だとか言われ続けてもう台風本番と言われる9月も半ばになりました。これからどうなるのでしょう。


思い出した方もおられるでしょう。今年は、梅雨入りが遅く、なかなか台風が発生しなかった年です。確か台風1号が発生したのは、7月に入ってからでした。台風の発生が遅い年は、過去共通した特徴があるのだそうです。これは今年の猛暑を予想した5月ころに放映された『ひるおび』と言うテレビ番組で、気象予報士さんが説明されていました。


台風の発生が遅い年は、そこまでにエネルギーが蓄えられるので、いったん発生すると次々に、あるいは巨大な勢力を保った台風が起こる可能性があると言うことです。

気になって、そのときのテレビ番組の解説でも残されていないかと調べてみました。すると個人の方と思いますが、ブログ?に掲載されていました。そのまま引用は避けますが、今年のように台風の発生が遅い年が50年前にあった、そのときは結局年間36個の台風が発生したとのご案内でした。


そして今年は、観測史上2番目に遅い台風発生なのだそうです。気象予報士の予想として、概して遅かった年は、やはり年間として台風の数は、多い傾向が残されているとのことでした。

今年の台風は、北海道東北地方を襲い、深刻な被害が出ています。人命に関わる悲しい発表もありましたし、これから収穫時期を迎える農作物には、大きなダメージを受け、交通機関も寸断され、物流にも大きな影響がでました。特に北海道では、道東への道路や鉄道が復旧にはかなり時間を要する甚大な影響をもたらしているようです。


北海道東北方面に立て続けに台風が進んでしまった今年の特徴でもあるのでしょう。

台風の被害がもたらされる前の今年の7月29日、JR北海道は、『持続可能な運行体系のあり方』と言う文書を公開しました。要は、このままでは路線を維持し、運転を継続することは、自力では困難であるとするもので、鉄道事業者としてのメンツもなにも、私企業である以上止むに止まれぬ判断なのだと感じました。

その具体的内容は、今年の秋口までに、JR北海道単独で維持可能な線区と、そうではない線区を示すので、地域の皆様と『ご相談したい』と言うものです。これは捉え方によっては、地域に必要だとされるなら金を出せ!等の協力を、それが無理なら廃線にすると聞こえます。こうした中での、相次ぐ台風による影響により、運休や復旧工事のためのコストは数十億円と見込まれ、さらに危機的な状況に拍車をかけます。


都会の人間には、単なる過疎地の鉄道のイメージしかないかもしれません。ただ、北海道は、冬季豪雪に見舞われる地域や期間があります。豪雪のとき、道路はたいへんな状況になることは、ここ数年、日本国中あちらこちらでその様子が報道され、雪に無縁な地域の人たちにも、衝撃を与えました。


道路がダメなときでも、鉄道は運行されることが多い事実は、あまり知られていないと思います。また、札幌と釧路との間には、新千歳空港および丘珠空港と釧路空港を結ぶ空路はありますが、小型プロペラ機での運航がほとんどで、雪や視界の関係で就航率は悪く、札幌釧路間の特急『スーパーおおぞら』はとても重宝され、ときに100%を超える乗車率になるのです。鉄道を維持する必要性は高いと言えます。

現在釧路に向かう石勝線、根室本線、旭川から北見、網走に向かう石北本線は、先の台風で寸断され、札幌まで、鉄道を使って行くことができない状況なのだそうです。

しかし、雪の時期までに復旧しておかなければ、道東と札幌間は、全く行き来が不可能な状況に出くわす危険性が極めて大と思います。そんな中、今年は、次々に台風がやってきます。現地の皆様の悲鳴が聞こえてきそうです。今月新千歳空港の土産物店で見かけたとうもろこし、アスパラ等の値段、びっくりしました。


でも、消費者は高い!なんて勝手なことを言いますが、生産者農家は泣きたくなりますね。台風に備えて、それが終わると例年とおりの雪対策ですから。

これを書いているときに、新たな台風が発生しました。この進路はわかりませんが、あといくつ台風は発生し、列島に影響してくるのでしょう。


気が抜けない秋となりました。今年の十五夜、どんな天気になるでしょうか?日本中が、台風の被害から復旧し、今後深刻な事態とならぬよう願うものです。