トランプ大統領が現実化して戦々恐々となるのは?ですよ。

2016年5月11日
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アメリカ合衆国共和党次期大統領候補者に指名されることが確実視されるドナルドトランプ氏は、かねてより、日本に駐留中の米軍の駐留経費は、全額日本に負担させるとの持論をお持ちです。

不動産王とされるトランプ氏、どのくらい外交をご存知なのかでありますが、何でアメリカ合衆国が、日本に居てあげて、日本を守らなければならないんだ、しかも金まで出して!の思いでありましょうか。

これはアメリカ合衆国が、軍隊を駐留させているのはアメリカの都合ではなく、日本のためだとの論理が前提とされています。これまでの日本政府、正確に言えば、安倍内閣以前の政権の答弁によれば、日本国憲法で認めれられる専守防衛の方法として、また、日本は、『戦力』に当たる軍隊を保持することはできないから、アメリカ合衆国の軍隊を駐留させることにより、自国の防衛をしている、だから、防衛費として予算を組んでいると言うものだったと思います。


つまり、日本自らの防衛方法として行っているのであり、アメリカのためではないと言う立場です。

そうだとすると、あながちトランプ氏の指摘は的外れとも言えないのではとも思われます。

でも見方を変えると今更ながらですが、『えー』ですね。


アメリカ軍の基地を抱える各国の政府の経費負担割合を比較すると、日本は突出しています。年間7250億円は、駐留経費のおよそ75%におよびます。米軍が駐留する各国は、30%から40%とされるのに。こんなところから、『思いやり予算』なんて言われるのではないでしょうか。


トランプ氏が、米軍が駐留するヨーロッパ諸国について、駐留経費の全額負担を主張したとは聞きません。韓国に対してもトランプ氏同じような要求をするとも言われております。日本と韓国は特別に映るようです。もし、日本に基地を持ち、軍隊を駐留させることで、アメリカにメリット、すなわちアメリカ合衆国への防衛に資すると思えるなら、それは自国のためであり、お金をかけるのは当たり前となるのでしょう。

要するにアメリカ合衆国、日本に軍隊なんて置いても自国の防衛力にはなっていないと言う意識が見えるのです。だから、日本が金を支払わなければ軍隊は撤退させるとなるのでしょう。

ちょっと変ですね。日本政府は、自国の防衛手段と言いつつも、アメリカが日本を守ってくれるから予算を負担している、日米同盟は両国そしてアジア、さらには世界の平和に貢献するって、言ってたと思います。両国で世界平和を!との崇高な目的があるからこそ、米軍の費用を、75%も負担してたんでしょう。トランプ氏、アメリカは、意味なく日本を守っている、働かせれているとお考えのようです。

これは、トランプが泡沫候補だから何てことないとお考えの方々を、仰天させたかもしれません。これなら多額の思いやり予算を組んで、世界平和を旗印に『日米同盟』を言う必要ありませんね。もっとも、私は、この点トランプ氏には同調できません。アメリカは、日本に軍隊を駐留させることで、アメリカ合衆国の利益を守っていたと思うからです。

アメリカが攻撃される場合は、まず近い場所にある基地を攻撃するのが鉄則、真珠湾攻撃がしかり、だから基地を日本置く意味がある。これこそが、「アメリカの戦争に巻き込まれる!」と指摘されていた原因です。トランプ大統領になれば、金を払わなければ撤退するそうですから、心配無用となったようです。

でも、さらにおかしいでしょう。昨年日本政府そして与党は、同盟国への攻撃が、日本に対する差し迫った攻撃だとして、地球の裏側まで自衛隊を派遣できると答弁し、そんな法律が急ぎ成立させました。アメリカ合衆国次期大統領候補トランプ氏は、日本を同盟国とはお考えではないようで、しかも金を出す気はないようですよ。


アメリカにはお引き取り願ったほうがよいかもしれません。これまで支払った金を返せとは言いませんが。