JR四ツ谷駅ほか都内の複数の駅のトイレ内で、『自民党』と書かれた落書きが相次いで見つかったことが報道されています。
なんでも、ここ数日、JR御茶ノ水駅、秋葉原駅等の男子トイレ内個室の壁に、黒スプレーで、『自民党』と落書きがされていて、『手口』が似ているとのことで、警視庁が捜査しているようであります。
トイレの壁に落書きしたら、確かに器物損壊罪に該当します。ただし、器物損壊罪は親告罪です。つまり、被害者の告訴が公訴提起の要件で、これがなければ起訴されず、従って『犯人』は、有罪判決を受けることはありません。
昔、刑事訴訟法が大好きだった私は、親告罪は、告訴がなくても捜査はされてもよいが、少なくとも告訴がない間は、逮捕勾留や捜索差押等の強制捜査はされるべきではないと学んだ記憶があります。 この『連続?落書き事件』の被害者は、誰でしょう。それは、落書きされた『器物』の所有者管理者です。
件のトイレは、自民党が管理していたのではないでしょう。おそらく被害者は、JR東日本かと思います。
JR東日本は、自己の所有物の効用を害されたとして、告訴するでしょうか。 最近は、トイレもきれいになって、また、監視体制もしっかしてきて、あまり落書きが目に付くことはないようです。昔は、酷かったですね。場所が場所だけに、ちょっと文書にできないような落書きがなされていたことを、みんな知っています。
でも、今回の事件の犯人は、トイレに落書きをしたかったのか、それとも『自民党』と書きたかったのか、どちらでしょう。
あるいは、その両方、つまり、トイレ内に、『自民党』と書くことに意味があったのかもしれません。 先ほど、かつての例で、「場所が場所だけに…」なんて申しました。この落書きは、この場所がふさわしかったのでしょうか?なんで、『民主党』ではないのでしょう。
そもそも、親告罪である器物損壊罪、それも告訴があったかどうかはっきりしていない現段階で、手口が似ているとか、複数のトイレで発見されたなんて報道するようなニュースバリュがあるものなのでしょうか。こんなこと?が報じられて、『被害者』は、告訴せざるを得ない感じです。
まあ、臭いものに蓋は嫌ですね。何事も真実は明らかにされるべきで、報道機関は、国民の知る権利に奉仕すべき社会的責務があります。そんな意味で、場所が場所だけに、明らかにせざるを得なかったのでしょう。