全国の『開かずの踏切』と認定された30箇所のうち、25箇所を占める鉄道を利用する者として。

2016年6月9日
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東京都内を管轄する裁判所は、東京地方裁判所ですが、23区と島嶼部を除く地域、いわゆる多摩地区を管轄するのは、東京地方裁判所立川支部です。

立川支部となったのは数年前で、それまでは、八王子支部でありました。この東京地方裁判所八王子支部、新宿から京王線の終点京王八王子駅のすぐ近くに位置しました。

ですから、事務所から八王子の裁判所に行くときは、京王線新宿駅を毎時0分、20分、40分に発車する特急電車で座って行くことができ、かつ、時間の計算が容易でした。京王線とは、東京の京と八王子の王を取った鉄道会社です。

その京王線、このところ何かと話題になっています。だいたいが列車遅延や運転見合わせの情報で、ネット社会では、批判、不満の対象とされております。
これは、鉄道利用者からの不満だけではありません。

京王線にはいわゆる『開かずの踏切』があまりにも多く、東京西部多摩地区、特に南北の道路事情を悪くしていると言われているのです。
地下駅である新宿駅を出た次の駅笹塚駅から、調布市の入口仙川駅までの間に存在する25の踏切は、全てがピーク時1時間に40分以上閉まっている開かずの踏切なのだそうです。

踏切が存在すると言うことは、線路が高架化地下化していないと言うことです。これと関連するのかどうかわかりませんが、踏切事故も多い気がします。
しばしば踏切内人立入とか安全確認等言って、電車が停止します。朝の新宿駅に、時刻表とおりの時刻に到着することはほとんどありません。
たまに予定とおりの時刻に到着すると、車掌さんから、「定時に到着しました。定時運行にご協力いただき、ありがとうございました。」のアナウンスがあるくらいです。
定時運航世界一を狙うJAL、ANAの機内放送ではありませんが。

国土交通省が今年発表した改正踏切道改良促進法に基づいて、国土交通省が指定した全国の改良すべき踏切57箇所のうち、『開かずの踏切』は、日本全国で30箇所だそうです。なんとその中の25箇所を、京王線が占めているのです。これを書いている今も、「踏切安全確認のため先行列車が停止しているため、遅れが発生しています。」のアナウンスが。京王線は、日本国中で、もっとも開かずの踏切が多い路線として、名を馳せていることになっているのです。

京王線のひとつ南側を走る小田急線、こちらも同様の問題があり、用地取得や環境問題等で訴訟も経験しましたが、梅ケ丘・和泉多摩川駅間の高架線による複々線化が完成しております。そしてあと数年で、代々木上原駅から、上り線に関しては、川崎市多摩区の向ヶ丘遊園駅までの高架線による複々線化が完成する予定です。

もちろん電車が通過する地域の環境、特に近隣住民の皆様の生活を考えれば、当然のように公共性を言うのはどうかとは思います。公共性って難しいですね。

東京都建設局と京王電鉄では、開かずの踏切対策として、笹塚仙川間の連続立体交差事業に着手しているそうです。そう言えば確かに沿線に、『高架化反対!』の看板を目にします。それが理由なのかどうかわかりませんが、京王線利用者として、全然工事?が進められている気配を感じることがありません。

そんな京王線、混雑、遅延対策に逆行するような政策をしていると思わざをえないのです。

アベノミクスの効果かどうかわかりませんが、都心部への人口増加現象が見られます。リッチな高層マンションがそれです。多摩地区は、高齢化が進んでいると言われますが、都心に近い調布市ではなお人口増加が続いていて、その手前、世田谷区の烏山あたりも人気のエリアだそうです。

これが影響したのかどうかわかりませんが、準特急が千歳烏山駅に、区間急行が仙川駅に停車するようになり、さらに乗降時間がかかり、返ってホーム内も混雑して、慢性的な遅れを齎し、安全面でも危惧される状況です。にも関わらず、今度は、座席定員制の通勤特急を運行させるとも発表されていて、いったいどこに目つけ、何をしようとしているのかわかりかねるのです。

東京都にも、京王電鉄にも何か思うところはあるのでしょう。

でも、利用者には見えてまいりません。鉄道は、公共交通機関であり、便利を求めらますが、安全は、その大前提です。

踏切が多いことや、列車遅延による異様な混雑等は、利用者や電車運行に関わる人の精神衛生も含めた安全面も危惧されます。

開かずの踏切だけが問題ではないと思いますが、多くの利用者が、1日の始まりとなる通勤が、少しでも気持ち良く過ごせるように、対策を考えていただきたいと思っています。