山間の町の養殖トラフグから学ぶ

2015年4月1日
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最近魚の価額が高騰しております。

消費税の影響ではありません。魚が獲れなくなっているのです。

漁獲量の激減が原因です。居酒屋の定番、アジ、ホッケの値段は、仕入れ値で言えば、2倍近くに高騰しているようです。

魚は、四方を海に囲まれた日本では、米と並んで昔から食卓に並んだ文化の代表であり、魚が食べにくくなったら、食卓はかなり変わるのではと思います。
ここにも地球温暖化の影響はあるのでしょうが、乱獲による資源の枯渇が原因だとされます。
確かに2月の札幌すすきのの和食炉端焼き店で、ホッケは品切れでした。

海から魚が獲れないとすると、養殖に頼ることになりましょうか。

以前からうなぎ、マグロ、フグなどは、養殖物が中心です。一応魚に煩いを自称する私でも、養殖して育て、販売する魚は、高級魚のイメージを持っておりました。もう、そんなことは言っていられないようです。

先日あるテレビ番組で、栃木県の過疎化が進んだ元温泉町で、トラフグの養殖が行われていることが、報道されておりました。

良質の塩分が含まれる温泉水を使って、山間の町で、フグを育てているのです。もともとは過疎化が進んだ町に、雇用を確保するなどして活性化する試みだったそうですが、今や温泉トラフグとして、温泉宿等からの注文が殺到していて、これが結構美味しいのだそうです。

魚は海だろうと思いきや、確かにフグの生態に合う水を使うことができて、養殖魚に不回避のストレスがない環境が整えば、美味しく頂けると思います。実は魚通を自称する私でも、天然物と養殖物は、食べてしまえばその区別がつきません。ブリやヒラメ等切り身となった一部の魚は、だいたいわかりますが。

うなぎやフグを例にするまでもなく、養殖物と天然物とでは、値段が大違いです。でも、少なくとも私の場合は、食べてしまえばわかりません。
天然物でなければダメだと仰る食通の方々は、天然物と言うブランドそのものがお好きなのでは?と考えてしまうのは、貧乏人の僻みなのでしょうか?

以前あるテレビ番組で、お笑い芸人と超人気グループのメンバーの1人が出演して、いわゆる目隠しテストに挑戦するコーナーがありました。

出題は、寿司店のマグロ、大トロがどの店の品か当てる場面で、100円寿司店から『普通の店』、そして、最近もVIPクラスが入店したところが報じられた日本を代表する超高級寿司店のそれぞれの品が、回答者の前に並びました。

結果、回答者の中で、超人気グループから参加した男性は、全問間違った回答をしました。

特に、例の超高級寿司店の大トロを、一皿100円の回転寿司店のそれと答えたのには、「放映中止にならないの?」と本気で思いました。

ここから学ぶことは、美味しければ良い、美味しいかどうかに基準はなく、人それぞれ、自分が美味しいと感じた品がいちばんだと言うことです。

魚大好き人間の私は、出張し、また、旅行するとき、海がない場所にはやや抵抗がありました。
でも、温泉フグではありませんが、これからは人間の努力により、山間の地域でも、美味しい鮮魚が食べられる日が来ると期待でき、なんだかとても嬉しくなってしまいました。

皆さん、美味しい魚を是非お召し上がりください。