プロにもストレスはあります。しかし、プロを信頼します。

2015年4月3日
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乗客乗員150名の生存が絶望視されているフランス南部に墜落したジャーマンウイングスの航空機事故は、副操縦士が、機長をコックピットから閉め出して、故意に機体を破壊した事件の様相を示して来たと報道されています。

同時多発テロ以来、コックピットは、操縦室の外側からは、操縦士の意思に関係なく立ち入ることは絶対に出来ない仕組みになっているそうです。

報道されたところが事実だとするなら、万全なテロ対策が、今回は裏目に出たことになります。

 

操縦士が、故意に乗客を乗せて操縦する航空機を破壊墜落させるとは、想像を絶する行為であると世界中は驚きです。

150人もの尊い命を道連れに破滅するのは、自殺とは言わないと現地捜査官の弁であります。 電車バスや船等公共交通機関で 、乗客を道連れに、故意に事件を起こした事例は、私の記憶の中にはありません。

ですが、航空機に限っては、結構その例を聞くことがあります。記憶が新しいところでは、昨年マレーシア航空機が、大きく航空路を離れて消息を絶って、燃料切れでおそらくインド洋に墜落したとされる事件があります。

 

 

若い方は、ご存知ないかもしれませんが、日本でも同じような事件がありました。昭和57年2月9日朝、福岡空港から羽田空港に向かった日本航空のDC8型機が、最終の着陸態勢に入った後、滑走路手前の羽田沖に墜落した事件です。

 

この事故では、24名が、亡くなりました。

当時『逆噴射』の言葉が流行してしまうほど、これは精神分裂病(報道では断定されませんでしたが、)の機長による異常操縦が原因とされたものです。

航空会社は、操縦士等スタッフの健康管理には、万全の対応をしているはずです。

 

しかし、精神を病んでいる操縦士が存在することも事実です。

 

現代社会で、人が生きて行くには、職種ポジション等に関わりなく、相当なストレスを抱えるのが現実です。

ジャーマンウイングスのケースはどうなのかわかりませんが、人の生命や権利を預かる立場のプロは、ストレスを抱えてはなりません。

本件は、格安航空会社で発生した事故であることは、事故原因とは直結しないとされています。ただ、同社の乗務員が、事故後業務をボイコットしたことは気になります。

私たちは、ときとしてプロに命を預ける状況に至ります。ただ、プロはプロであるがゆえに、プライドがあるでしょうし、なかなか外から、その人の内的状況まで知ることは困難です。

 

今回の事件が、副操縦士の異常操縦で終わらせることなく、なぜそうなってしまったのが、そこに至る間接的な事情も解明し、世界各国で、対応を考えなければならないと思います。

 

歴史は、常に尊い命の上に成り立っていると思います。