プロサッカー選手で、J2横浜FCに所属するカズこと三浦知良氏が、先日48歳1ヶ月でゴールを決め、Jリーグ得点最年長記録を更新しました。
サッカーに関心がある方、また、スポーツの素晴らしさを知る方々は、三浦知良氏の名を知り、カズを応援していると思っておりました。
ところで、その数日後、テレビ番組に出演した元プロ野球選手だった74歳のコメンテーターが、カズに対して、「もう、お辞めなさい」と発言したことが物議をかもしております。
そのほとんどが、この方の発言に対する批判的意見だそうです。その『騒動』を聞いた私も、「それはないでしょう」と思いました。
このコメンテーターがそのような発言をするに至った理由として、
①後進に道を譲るべき
②三浦知良氏ほどの選手であれば、J2なんて2軍でいつまでもプレーすべきではないと言うもののようです。
②の点は、リーグ戦となっているプロ野球とは異なり、日本のサッカー界は、地域に根ざすことから、ピラミッド式に各リーグが構成されているのであって1軍も2軍もない、サッカーを知らぬ者がいい加減なこと言うな!と批判されました。
すなわち、Jリーグは、J1からJ3まで入れ替え戦が行われ、観客動員数でも、J2でも1万人以上の試合はあるし、かつてJ2所属の選手が、サッカー日本代表になったこともある、天皇杯等では、番狂わせがあるのは、プロ野球のイースタンリーグウエスタンリーグとは違うだろう、Jリーグ各チームには、サテライト等下部組織がある、J2がJ1の2軍なんて、カズだけではなく、J2所属選手に対して失礼だと言うことであります。
それでは、後進に道を譲るの点はどうでしょうか?
サッカーJリーグは団体競技です。サポーターあってのチーム、また、チームを資金面で支えるスポンサーがおります。
もし、カズが本当に使い物にならないのに、自己満足のためにのみ引退しないのであれば、監督がカズを使い、サポーターがブーイングせず、また、スポンサーが撤退しないのはなぜ?の疑問です。
プロであることは、人を集め、お金を落とさせることも重要です。
カズの姿、プレーやその競技姿勢を見たいと思う人がいる以上、確かにカズの全盛期のみを期待する人は違うのかもしれませんが、プロ選手としての三浦知良氏のポジションは、依然存在するのではないでしょうか?
かく言う私も、『昔のキングカズ』は、好きではありませんでした。笑
日本サッカーが、初めてワールドカップに出場することが決まった『ジョホールバルの歓喜』の試合中、当時の日本代表監督から、途中交代を申し渡された際、まさか?のカズは、自分を指して、「俺が!」のサインをベンチに向かって示しました。
そして三浦知良氏は、サッカーフランス大会のメンバーに、選出されませんでした。
そのあとだと思います。カズが変わったのは。そのときの心中、三浦知良氏が、その後どのようにサッカーと付き合うことに決めたのかは、私どもの理解を超えるものだと思われます。
ただ言えることは、あれほどの選手だからこそ、ここで終わることなく、何かを残そう、それこそ後進の手本となり、また、時代を担う子供たちに、メッセージを送ろうと、おそらく心身ボロボロの状態でも、倒れる時まで、辞めることが出来ないのではないのでしょうか。
そんなカズの姿が、スキージャンプの葛西選手、プロ野球の山本昌選手らとともに、スポーツを知らない人たちからも、支持されているのでは?と思います。
人は誰でも挫折はあるでしょう。
それを経験した後、どのように活かし、どのように生きるかが、その人の度量を示すのではないでしょうか?
私は、カズの原点、カズが今のカズである契機は、1997年11月16日のマレーシアジョホールバルにあるのでは?と勝手に考えているのです。