シカやタヌキとの共存

2015年3月9日
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3月1日夜は、航空会社にとっては散々な日となったようです。
もっとも、本当に迷惑を受けたのは、この日起きたトラブルに巻き込まれた人たちでしょう。

この日は日曜日でした。いつかお話したと思いますが、日曜日の上り便は混雑します。
特に午後から夜にかけては、週末を旅した観光客、しばし自宅に戻っていた単身赴任族が、羽田空港はもちろん、大阪、福岡、札幌等に戻ってくるからです。

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実は私もこの日、新千歳空港から、マッサン帰りをしておりました。機内も混雑して落ち着かないので、あまり日曜日には航空機は利用したくないわけですが、今回は、マッサンに会いに行くと言う全くの遊びでしたから、文句は言えるものではありません。

さて、この日最初の『事件』は福岡空港で起きました。午後6時前、福岡空港から羽田空港に向かう全日空機が、滑走路に向う誘導路を走行途中、ブレーキ故障を起こし動けなくなったことから約1時間半滑走路が閉鎖され、航空機の離発着ができなくなったことです。

離発着間隔世界一の福岡空港は、滑走路は1本しかなく、これまた世界一市街地に位置する空港であるため、夜間の使用が制限されており、欠航や目的地変更などが起きたと言うことです。
ちなみに、トラブルを起こしたのはボーイング787型機ですが、これは良く問題になっているやつですね。
私も2回、機体に問題ありと言うことで、整備のために、出発遅延と機内に閉じ込められた経験がありました。

ついで午後8時ころ、羽田空港周辺で、局地的な強風が発生したため、羽田空港への着陸が見合わされた時間帯が生じた『事件』が起きました。
こちらは、羽田空港に向かっていた航空機をいったん関西、中部国際空港に着陸させて燃料を補給した後、風が収まった羽田空港に向け、出発させる措置をとったことから、羽田空港に到着した時間には、もう公共交通機関は全て終了していて、多くの乗客が、空港内で一夜を過ごしたのだそうです。

航空機は早くて便利ではありますが、ひとたびトラブルが発生すると、多くの影響が出てしまいます。
永久に空中に浮いていることはできませんから、出発できない航空機、また飛行中の航空機は、何処か別の空港に到着させなければならない事態が生じます。

でも諦めもつきやすいです。

空中に浮いていることが出来ない以上、出発できず欠航となるか、何処か別の空港に『連れて行かれる』からです。これが、駅と駅の間に立ち往生した新幹線なら悲劇でしょう。
以前お話したように、私は、航空機を利用するとき、『弾は当たらない』と思っているので、遅延欠航などに『当たる』こともあまりございません。

先日の暴風雪の女満別空港もしかりです。

そしてその2日後、今度は新千歳空港が、シカの侵入により閉鎖されたと報じられました。
天候と同様これも『自然』が相手ですから、ある意味仕方ありません。
ちなみに十年以上前になるでしょうか、私が長崎空港を利用した翌日、大村湾に人工島として開設された長崎空港に、

なぜかタヌキの群れが現れて、滑走路が閉鎖されたと報道されたことがありました。

空港は、市街地から離れた場所に開設されますから、常に『自然』と隣り合わせと言うことなのでしょう。
むしろ人間の進出が、これら生態系に異変を起こさせたと言えるのかもしれません。

私の家の近くでも、まだ早朝道路脇にタヌキの死骸が 横たわっていることがあります。可哀想に、夜間車に跳ねられたのです。

風やシカがあんなにデカイ航空機を止めると言うのも、自然界の生業なのでしょう。


ネズミの嫁入りではありませんが、強さと脆さは背中合わせ、あまり気づかないところに、危うさは潜んでいるのかもしれません。