きさらぎ法律事務所は、決して問題の先送りはいたしません。

2015年3月19日

きさらぎ法律事務所は、事務所内での初回相談は無料です。

相談時間の制限を設けておりません。

 

なぜそうしているのかは、このホームページの該当箇所に詳しくご説明しておりますので、このひとりごとでは述べません。

ただ結論部分だけ申しますと、相談だけで解決できる問題はない、相談者の方にとってどうすれば不安不満を解消して、問題の解決に進めるのか、到達点を見据えてお話しなければならないからです。

要するに、きさらぎ法律事務所で話をし、質問事項の答えをもらったとしても、事務所を出たらもう満足、解決したとはならないのが実情だからです。

相談の後依頼者となって、解決すなわち到達点までのプロセスを、共にいたしましょうと言う仕組みです。

世の中、本当の問題の解決になり得ないのに、当面をしのぐための問題の先送りが少なからずあると思います。

3.11の記憶が冷めやらぬこの時期、原発最終処理施設がそれです。

仮に今後原発を止めても、絶対に解決しておかなければならないのがそれです。

この放射性物質の処分としては、極めて安定した地層深くに格納するしかないと言われております。

 

この結論が動かせないことから、原発全廃を決めた国があることは、周知のとおりです。東日本大震災から4年後の夜、ある報道番組で、フィンランドのオルキルオト島に存在する『オンカロ』と言われる格納施設が放映されました。

2020年から100年に渡って埋設処分に利用して閉鎖する、しかし、生物にとって安全が確保されるまでには10万年の年月を要する、従って、それまでオンカロは閉鎖され続けるのだそうです。

 

日本の福島第一原発の事故に学んで原発ゼロを決めたドイツ、そしてフィンランドの国民は、そのインタビューで、日本が、原発の再稼働に舵を切ったことの驚きとともに、この最終処理施設がないまま原発を稼働し続けていることに、驚きの声が寄せられておりました。

 

 

私も、全くそのとおりだと思います。

 

これは原発の是非以前の問題です。現政権になって、青森県むつ市に、『リサイクル燃料貯蔵』施設が完成し、同じ青森県六ヶ所村の『使用済核燃料』再利用工場を補完するなんて言われおりますが、要は、放射性物質をどうすることも出来ず、『再利用』とか『中間処理』の言葉を使って問題の先送りをしているだけなのです。

それで困ったのか、最近政府与党は、地質学者の意見として、地質学的には、阿武隈山地、北上山地そして根釧台地あたりは、放射性物質の最終処理場として地震等による影響がなく『安全』だと言う見解を出したようです。

しかし、名指しされた自治体は、たまったものではありません。

『風評被害』等を仰てすぐに反対の意見を出しました。そんな状態でありながら、最近では、この福島第一原発の事故による『廃棄物』を移動させる議論が出ているのです。 原発が一旦存在した以上、最終処理施設の問題は避けて通れません。

 

これを決める、確保しないまま、中間だとか再利用なんて言葉で誤魔化して解決になるのでしょうか?

 

原発そのものが安全であっても、これは避けて通れません。 福島第一原発は、福島県民のために存在したのではありません。

東京電力が、首都圏の電力供給のために半ば国策として行なったものです。誰だって原発が近くにあること、まして放射性物質の貯蔵施設が近くにあることは嫌です。

こんなとき、法律実務家の間では、『利益のあるところに危険と損失あり』と言う言葉があります。

 

私たちが託した政府与党が、問題の解決に進まないのでしたら、利益を得ている東京都民が負担すべきと言う結論になるのでは?

東京都内に放射性物質の最終処理施設を造る。そうなったとしても、私は、問題の先送りをしなかった東京都民を讃えたいと思います。

 

それでこの問題は解決ですから。