日本のおとぎ話について

2015年3月23日
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日本には、古い昔から語り継がれた昔話、民話、そしておとぎ話があります。

いちばん古い物語は、竹取物語すなわちかぐや姫のお話だったと思います。話自体は美しい幻想的な感じがしますが、意外にも最後が悲しい結末になっている物語が多いことに気づきます。例えば、鶴の恩返し、狐の嫁入りなど、読み手のこころに何ものかを残すのではないでしょうか。

先週岡山に行って来ました。岡山と言えば桃太郎が有名です。

昔真面目なおじいさんおばあさんがおりまして、この老夫婦は子どもがいなかったのですが、ある日おじいさんが、川から流れてくる大きな桃を見つけたところ、中から元気な男の子が生まれ、桃太郎と名付けました。

桃太郎は働き者でしたが、大きくなって人々を苦しめている鬼ヶ島の鬼退治に出かけることになり、このときおじいさんおばあさんから黍団子をもらい、途中イヌ、キジ、サルに黍団子を分け与えて家来にし、見事鬼退治をしておじいさんおばあさんの元に帰ると言う物語であります。

黍団子とは、キビを粉にしてこしらえた団子ですが、ここからキビの団子、すなわち『吉備団子』があったことから吉備の国岡山県が舞台とされたのです。

桃太郎の物語は、さっき申しましたちょっと悲しい終わり方をするおとぎ話とは違って、大きな手柄を立てて無事おじいさんおばあさんの元に帰ってくる点で、英雄伝であり、また善を勧め悪をを懲らしめると言う勧善懲悪の物語です。

日本人が、いつから勧善懲悪の物語を好むようになったかですが、江戸時代の南総里見八犬伝はその典型と言われますし、後世の創作だとされる水戸黄門もこの時代ですから、徳川幕府の政策と言うか文化だったように思います。
写真1 H27.03.16

 

 でも、またケチをつけるのかと言われそうですが、なんとなく『善玉悪玉』と決めつけること、この簡単な割り振りにはどうかな?の思いがありました。


例えば、黄門様の『この紋所が目に入らぬか!』は権力志向を感じますし、遠山の金さんも、もともとお奉行様です。 その点、桃太郎のお話は良いですね。


 あれは、鬼すなわち悪い奴をやっつけたと言うよりも、私は、真面目に暮らすおじいさんおばあさんに大きなご褒美をくださったものと考えます。桃太郎が帰って来てから、3人で平穏に暮らしたと言うこのなんでもない情景がとても良い終わり方だと思っています。



 童心に帰った気持ちで、桃太郎の像の前で考えてしまいました。