埼玉県と神奈川県は近くなったけれども。

2015年3月30日
テーマ 

今月『上野東京ライン』が開通しました。

これまで宇都宮線、高崎線は、全列車上野駅が終電でしたが、これが東京駅まで伸長し、そのほとんどの列車は、そのまま横浜方面東海道本線に乗り入れすることになったようです。これにより、宇都宮伊東、前橋熱海などの発着があり得るようになりました。

上野東京間の通勤時の混雑緩和には、かなり効果をあげると期待されています。

 

埼玉県方面から横浜湘南方面には、乗り換えなしで直通運転となって、物流観光にもプラスとなるとも言われています。以前、みなとみらい線、東急東横線、東京メトロ副都心線と、東武東上線、西武池袋線が1本に繋がったときも、同じような効果が指摘されていて、横浜中華街と小江戸川越の町が協力して観光誘致をしたと報じられておりました。

 

でも、旅慣れし、鉄道に詳しい人はどうってことはないのでしょうが、分かり辛い、迷って面倒等の心配が寄せられているのです。例えば、埼玉県の久喜駅から神奈川県の大船駅に行きたい場合は、上野駅東京駅止まりではない電車なら、どれに乗車しても間違いなく目的地に到着するでしょう。

上野東京ラインでも、湘南新宿ラインでも大船駅には行けるからです。

しかし、これまで『東京駅』まで行きたかった人は、『上野行』だけに乗車すればよかったところ、これが『小田原』とか『平塚』行きとなってしまって、上野東京ラインなのか湘南新宿ラインなのか、分かりにくくなってしまったのではないかと懸念されます。

 

新橋駅の東海道本線上りホームは、これまで閑散としていたでしょうが、今後は、いろいろな行き先の電車が通りますから、慌てて乗車して間違える危険が生じると思います。

 

高崎行きも宇都宮行きも、外形上区別がつかないからです。

私は先日、埼玉県の北本駅から新宿に戻る用がありました。新宿までの切符を買って、改札口に向かったところ、遠くに見える電光掲示板には、上り方面として『小田原』『熱海』『平塚』と表示が見えました。

 

近くまで行って、オレンジ色で、小さく上野東京ライン、湘南新宿ラインの経由別が案内されていることが見えました。

 

結局新宿に行く電車は3番目であるとこがわかり、ホームですることもなく、待っておりました。

 

以前でしたら、『上野駅』行き以外は、全部新宿駅を通ったのです。 地理に明るく、昔鉄道少年だった私でも、乗車する際には注意を要します。

このように、直通運転が増加して、長い区間をひとつの電車が運行された場合、ひとたび事故等により、運転見合わせ等が起きると、はるか遠い場所で起こったことだとしても、多くの利用客に影響がでます。ダイヤの組み替えもたいへんだと思われます。

 

利用する方も、サービスを提供する方も、緊張しなければならないようです。これが便利の代償でしょう。