ぬいぐるみの中に人間がいると思ったら、夢は消えてしまいます。

2015年8月18日
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夏になると、テレビでも、心霊写真や妖怪等をテーマにした番組が放映されます。この話、ひんやりするのだそうです。テーマパークでも、お化け屋敷がよく設けられます。私たちも子どものころ、林間学校等で、肝試しが遊びの行事に含まれていたことがあります。

札幌市に帰省中の19歳の男子大学生が、男女数名の友人らと、遊戯施設『ノルベサ』内にあるお化け屋敷『ゆびきりの家』に入ったところ、出て来た『おばけ』を殴ったとして警察に逮捕されたとニュースになっておりました。『ノルベサ』は、すすきのを一望する観覧車が有名で、酔った勢いで『乗るべさ』と言いたくなる雰囲気がありました。この大学生も、酔って施設内のお化け屋敷に、仲間とともに入ったようです。

ここでは、あまり論点にもなっていないようですが、未成年者の飲酒はいけませんね。

酔って気が大きくなったのか、地元に帰って友人らにカッコいいところを見せたかったのか知りませんが、おばけを殴ってはいけませんね。おばけさんは、暗い(たぶん)中で、分厚い衣装を着用(たぶん)して、不意に攻撃が加えられたら、防御の仕様がないのではと思います。さぞかし驚いたでしょう。

お化け屋敷には、おばけを殴ってはいけないとの注意書きが掲示されていたから、このお客さんは、契約違反だと言うようです。

しかし、そんな暗闇にある掲示板なんて、お客さんは注意して見ません。商品?に手を出す、破壊行為は許されないことは、広く公衆が出入りする場所を使用する場合のルールでしょう。そもそもお化け屋敷には、本物のおばけなんか居るわけがなく、人間が着ぐるみの中に入っているのは常識、予見可能性十分ですから、『おばけ』に手を出したら『犯罪』となることは当然です。なんでニュースになったのでしょうか。

着ぐるみがやられる?ケースは、おばけだけではありません。

ディズニーランドで、ミッキーマウス等がやられたことは聞きません。でも、何かのセレモニーのとき、例えば、パチンコ店がオープンしたとか、何々週間のセレモニー等で、しばしばぬいぐるみが登場します。私は、暑いのにご苦労さまと思います。ときに子どもたちから、叩かれたり、「悔しかったら飛んでみろ」なんてからかわれてお気の毒の場面を目します。

今回は、たまたま夏のお化け屋敷内の暴行事件でしたが、ぬいぐるみ、着ぐるみに対する『暴行事件』とか、これらを纏っている人間からすると理不尽と感じる『お客さん』による行為は、世の中結構あるのだと思います。

ミッキーマウスは、ミッキーマウスだから夢があり、人気を集めるのです。ぬいぐるみの中に何が入っているの?と思ったら、夢なんて一挙に覚めてしまいます。

でも、あの酔ったお兄さん、人間ではなく、突然現れた得体の知れない『おばけ』に対して、仲間を守るために攻撃を仕掛けたとしたら、これは夢と現実が錯綜した難しい事件の様相を見せます。

彼はそのとき、『人』に対する有形力を行使したとの認識はなく、あくまでこの世のものとは思われない『物』に対して手を出したのだとしたら、『事実の錯誤』と言う刑法上の論点が関わってきます。これは、理屈です。未成年者が酒を飲んで酔ってはいけません。これが『本当の論点』となる真夏の珍事でありました。