自分を高めるには、ライバルと親友の存在が必要です。ーー萩野公介選手瀬戸大也選手の活躍から。

2016年8月8日
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リオデジャネイロオリンピックが始まりました。日本からすると地球の裏側、時差12時間の遠く離れた南米の地で、アスリートたちの競演が、繰り広げられています。力を発揮できた選手、思いとおりに行かなかった選手、アクシデントあり、感動ありで、連日日本国内でも盛り上がりを見せています。

オリンピックに関わる全ての方々が、どうか怪我なく、これまでやってきたことすべてをぶつけ、後悔なきよう競技されることを願っています。

開会式の翌日、早速日本競泳界で、素晴らしい結果がもたらされました。男子400メートル個人メドレーで、萩野公介選手が金メダル、瀬戸大也選手が銅メダルを獲得されました。

決勝の時間が、日本では日曜日の午前10時ころでしたから、かなりの国民が、その瞬間を生放送で見れたのではないでしょうか。まずはメダルを獲得した両選手におめでとうございますと申し上げ、これまでのご努力に敬意を表するものであります。このビッグニュースに列島は、マスコミを中心に、ここまでの萩野公介選手、瀬戸大也選手の軌跡やエピソード等を放映しているので、この『ひとりごと』で、あえて説明するまでもないことです。


ここでは、少し感想を述べさせていただきます。

大学4年生の萩野、瀬戸両選手は、子どものころから水泳を始めますが、小学校低学年より、萩野選手はその能力が抜きん出ていて、瀬戸選手は、強い速い萩野選手は、遠くから背中を追う『萩ちゃん』だったそうです。それから瀬戸選手も憧れの萩ちゃんを目標にどんどん力をつけて、遂に中学生のときに、勝利の瞬間を迎えました。


それからは、まさに同学年のふたりの時代、互いに競い合って記録を伸ばし、かたや日本記録を作り、かたや世界選手権を制し、いつの間にかふたりは、『公介』『大也』と呼び合う最大のライバルであり、最大の親友に至ったと言うことです。

特にロンドンオリンピックとそこからの萩野選手、瀬戸選手には、ドラマがありました。ロンドンオリンピック選考会で勝った萩野選手は、17歳で出場したロンドンオリンピックで銅メダルを獲得、選考会で敗れた瀬戸選手は涙にくれました。その後萩野選手は、日本記録を塗り替えますが、骨折事故に遭い、選手権への出場どころか選手生命にも黄信号が灯る経験をし、いっぽう瀬戸選手は、世界選手権を制して2年間世界チャンプオンの座にあって、いち早くリオデジャネイロオリンピックの代表に選考されたのです。


こうして迎えた今年、怪我から見事復活した萩野選手は、世界ランク1位に登り詰め、瀬戸選手も負けてはおりません。瀬戸大也選手、直前のレースで、泳げば泳ぐほど自己記録を更新して、リオデジャネイロ入りしたものです。そしてオリンピック本番の予選、瀬戸選手は、さらに自己記録を出し、瀬戸選手が2位、萩野選手が3位で決勝に進みました。


結果は、萩野選手が金メダル、瀬戸選手が銅メダルでこの大会、日本人第1号で表彰台に、しかもふたりで上がりることが叶いました。萩野選手は、いつもとなりに大也がいる、瀬戸選手は、公介を追うことだけを考えると言われました。


切磋琢磨とは、この両人のためにあるような言葉だと感じました。ある評論家が言っていました。これは意図されたことではないけれども、予選ではこの大会本番で、瀬戸選手同様泳げば泳ぐほど記録を伸ばして、予選1位通過したアメリカ選手を、瀬戸選手が予選からしっかり競い合って共に記録を出したこと、これを見た萩野選手は、ある意味力を温存できて『勝負どころ』を押さえることができたのではないか、まさに萩野選手、瀬戸選手2人で成し遂げた偉業と言うのです。

ここまで高め合った両人からすると、あとは時の運かもしれません。レース直後、『おめでとう』『本当に良かった』と互いを称え合って場内の観客に応えるふたりの姿は、本当にスポーツっていいな、男の友情っていいなと感じました。ロンドンオリンピックで銅メダルを獲得し、今回金メダルを手にした萩野公介選手に向けて、瀬戸大也選手が、今回自分は銅メダルを獲得した、東京オリンピックではワンツーフィニッシュすると述べたことが印象深かったです。


ワンツーとは、もちろん瀬戸大也選手が1位、萩野公介選手が2位の意味です。このふたりなら、さらに高め合うでしょう。

スポーツには、個人競技と団体競技があります。もともとは個人競技でも、今回期待されている体操団体とか、陸上水泳のようにリレーといった形で、チーム力を競う試合もあります。スポーツに関係ないところでよく言われるのは、団体競技のスポーツを経験することで、仲間の大切さを知り、社会性常識が身につくがあるようです。


確かにそのことは否定しませんが、萩野公介選手、瀬戸大也選手を見て知れば知るほど、スポーツはひとりではない、自分を支える関係者あってのスポーツであり、その中には、『ライバル』と『親友』と言う存在がとても大きいのだと知らされた思いがします。


自分を高めるには、ライバル、目標と心を許せる友の存在がとても大切であること、それはスポーツの世界に限らないのではないかと気づかせられた萩野公介選手、瀬戸大也選手の活躍でした。


おめでとうございます。そしてありがとう!